外食をすっかりしなくなった。COVIDによる売り上げの減少よりも、行動変容が怖い。そんな外食産業の人のコメントは、確かにその通りになっているのかも知れない。
今はもうない、Bistroの写真を見る。
今とは違う別の街で働いていたときには、昼前にみんななんとなく出勤して、それも会社にでは無くて、馴染みの店のどれかにまず向かう事が多かった。そこで待ち合わせて、しっかり食べて、しっかりお喋りをして、デザートの選択肢があればそれもちゃんと頼んで、そこから会社に行った。
なんか働いてないみたいな感じに見えるけれど、生産性が高かったかどうかは知らないが、凄くちゃんと働いていた。そこで話したことの大半は、忘れてしまったけれど、とても大事な時間だったと思う。店では仕事の話は、あまりしなかった気がする。
そうして、夜遅くに仕事が終わって、また昼の店に皆で行って、その頃には他の客はだいたい引けてしまっていた。気取った、常連だけの裏メニューっていう訳じゃ無く、単に毎日行きすぎて頼むものが無くなって、なんとなく違うモノをつくってれるような、そういう感じで、山盛りのパスタとか、そういうものを平らげた。
自分の人生にそういう事が何回あるのか、その時はあまり自覚をしていなかったけれど、そういう幸運というのは、その場に居るときにはあまり自覚をされないみたいだ。
すっかり変わってしまった世界と、自分のライフステージと、今の皆の働き方。この時代の、あの空気に戻る事はできないのだけれど、人が昔を懐かしむ気分が、どうやら僕にも分るようになってしまった。そういう、事みたいだ。