GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 2.0

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊

気がついたら、攻殻機動隊 2.0がもう封切りされていた。無理矢理仕事を切り上げて、19:00からの回に間に合わせた。

オリジナルはかなり観ているので、その違いを気にしながら観てみる。パンフレットが公開当時のものと、2.0のハイブリッド版になっていて、記念品の類は買わないというポリシーに反して購入してしまった。

東京での上映は新宿ミラノ座の1館のみ。仕事で来たことはあったけれど、中にまで入るのは初めて。外観は結構年期が入っていたが、中のシートやスクリーンは新しくされおり、通路も広くて申し分ない。最初客の入りは少なくて、単館上映でも厳しいものだとおもったけれど、開演直前までにかなり席は埋まった。アニメーションだが、子供の姿は無く、スーツ姿の人、あるいはデザイン系げな私服の人など、客層はちょっと変わっていた。


全体としては、吹き替えは2.0がかなり良い。特に、人形遣いのキャスティングが変わって(クロトワの人→クシャナの人)、台詞の奥に茫洋とした恐怖、のようなものがより感じられるようになった。清掃局員は千葉さんの方が違和感が無い。他は、1.0と同じキャストの人が多く、違ったアレンジで楽しめる。

全てCGでリメイクされているシーンは、そんなには無い。(気がついていないのかもしれないが)当該のシーンは、やはりかなり違和感がある所も多い。冒頭のビルからのダイブのシーン(攻殻で一番有名なシーン)や、フローターで海面に浮き上がるシーンは、やはり前後のセルアニメーションからは浮いてしまっている。逆に好印象を持ったCGシーンもある。ラストの都市を見下ろすカットは、2.0がより元のイメージに近いし、メッセージがクリアになった。

セルとCGのブレンド、という点では、イノセンスほどの完成度ではないが(描き直しではないのだからそうだろう)、オプティカル系の新しい処理(信号機、フロントガラスへの街灯の反射、赤色灯など)や、窓ガラスの水滴処理などはうまく融け込んでいて、きちんと2.0になっている。

その他、台詞も、筋も、音楽も(新録が入っていると思うが)13年前と殆ど変わるところは無い。そのメッセージ性も同じだが、あるいはより明確になったかもしれない。技術の進歩の果てに訪れるであろう未来に対する希望と絶望、その両端で揺れていた13年前のオリジナル。

2.0もまた、同じ場所で揺れている映画だが、その希望にも、絶望にも、地に足が付いた。ネットもまた、人間がつくり出す以上、その限界はあり、制約はあるのだという、そういう確信が、あるいはこの映画をCG処理の進歩以上に変えたのかも知れない。

マックを家でいただく

Photo: なんだこのビールは? 2008. Tokyo, Ricoh GR DIGITAL, GR LENS F2.4/28.

Photo: "なんだこのビールは?" 2008. Tokyo, Ricoh GR DIGITAL, GR LENS F2.4/28.

マックを家で食う、ということには色々なメリットがある。バイトのポテトの塩振りが甘くても、自分で好きに味付けできる。仏産の天然塩で塩味をつけるとか、有機なケチャップを付けるとか、全て自由。(ジャンク + 良い調味料はウマイ)

それにアルコールを出さないマックでは不可能なことだが、油まみれのあのメニューには断然ビールが合う。栄養バランス的には、まったく最低のビック (メガ)マック・ポテト・ビールという組み合わせも、持ち帰りならではの技。この組み合わせは、特に飲んだ後などに、衝動的に買ってしまう危険な組み合わ せ。


帰りがけ、夜中のマックに近寄ってみる。

カウンターの上にはダンボール入りのアイスクリームコーンが放置され、フライヤーの脇にはポテトがカゴに入れて積みっぱなしになっている。カウン ターのこちら側は、ギャル男を筆頭に、電話としての原形をとどめないデコ電をいじる女、やや酔ったリーマン(俺だ)等々、荒んだ客層。「北斗の拳」か。

家マックの誘惑はあるが、今日はやめておこう。何か危険な臭いがする。あの積みっぱなしポテトが出てきたらショックだし。

時間

Photo: lotus 2002. Kyoto, Japan, Contax RX, Carl Zeiss Vario-Sonnar T* 35-135mm/F3.3-4.5(MM), Kodak EB-2, Nikon LS5000

Photo: "lotus" 2002. Kyoto, Japan, Contax RX, Carl Zeiss Vario-Sonnar T* 35-135mm/F3.3-4.5(MM), Kodak EB-2, Nikon LS5000

時間は誰の味方でもない

強いて言えば、命ある者の味方だ。