AfterShokz AEROPEX、ハード最高・ソフトいまいちの骨伝導ワイヤレス

Photo: “Rectangle sky form DC's rest area.”

Photo: “Rectangle sky form DC’s rest area.” 2016. Okinawa, Japan, Apple iPhone 6S.

このデバイスには思うところが多くて、感想がまとまるのに半年も経ってしまった。

テレカンで使う新しいBluetoothヘッドフォンが必要、それが出発点だった。例えば6時間付けっぱなしでも、苦痛が少ないものが要る。耳を完全に塞がない、外音導入型のものが望ましい。元々、愛用していた外音導入型のイヤフォンは、PlantronicsのBackBeat FIT。数年前に、歩道で後ろから自転車に突っ込まれて以来、普通のイヤフォンをして街を歩くことは怖くて出来なくなった。(その時、イヤフォンをしていたわけでは無い)


BackBeat FITは、ルーズに耳にフィットする事で、物理的に耳に外音が丁度入ってくるように設計されている。仕組みとしてシンプルで、かつ路上でも安全。走る時にも良いし、素材が柔らかくて軽いので、自分がイヤフォンを付けていることを忘れてしまう事もある。テレカン用にBackBeat FITを使って見ると、これが非常に快適。テレカンの始まり終わりで、いちいち付け外しが要らないし、密閉型よりも疲れない。宅配便のチャイムにも気付くし、BGM付きで料理もできる。

ただ、長く使っているせいで、バッテリーがへたっていて、長時間の使用に耐えない。同じモデルはとっくに廃盤なので、後継機を買おうと思ったのだが、、。荒れている。新バージョンのレビューのあまりの荒れようにとても買う気にはならなかった。ユーザーが何を支持していたのかを見誤り、間違った方向に行ってしまった。シンプルイズベストの良心が貫けなかった、そうした後継製品の長い葬列に加わってしまった。


もともと、緩く耳を塞ぐことで外音を入れるオープンイヤーの製品はメジャーとは言えず、代替品はあまりない。となるともう骨伝導くらいしか、選択肢が無い。骨伝導、暫く忘れていたけれど、そんなテクノロジーもあったな。昔興味をもって店頭で試したことが有ったが、クオリティーが全然期値を断然下回ったので、買わなかった。

そして、今、骨伝導はどこまで進化しただろうか。ざっと評判を調べてみると、骨伝導Bluetoothは2種類ぐらいしかメーカーは無い。その中でも、AfterShokzは骨伝導では老舗で評価も高い。今の状況では店頭で試す訳にもいかないので、AfterShokzの一番新しいモデルであるAEROPEXを注文した。


そして、半年。走る時、外出する時、テレカンの時は、AfterShokzを100%使っている。つまり利用頻度がとても高い。BackBeat FITの時にも感じたのだが、この手の製品は、普段の生活音の上に音楽や、話し声や、効果音(変な言い方だが)が乗ってくるので、「電脳感」がとてもある。ウェアラブル、という気分がとても高いジャンル。はまれば、これほど便利なものは無い。

ただ、やっぱりこなれた製品ではないので、向き不向きははっきりしている。自分で事前に調べてみても、あまりよく分からなかった、利用シーンの別のメリットとデメリットを書き出してみる。


まず当初の目的だったテレカン。耳を塞がれないのは、やはり疲労感が格段に少なくなる。一日に数時間ぶっ続けにつかっても、耳が疲れるという事は無い。(他の部分はとても疲れるが)ふと、自分がAfterShokzをしているのか、していないのか分からなくなって頭に手をやる瞬間が、少なからず有る。事前にレビューが全くなくて不安だったマイク部分の性能についても、テレカンの相手から不満を訊くことはほぼ無い。(ある特定の人から聞こえないと何度か言われたことがあるが、恐らく先方の問題だろう)マイクは指向性が高く、環境音をあまり拾わず、その点も好ましい。(ミュートしないでお茶を入れるぐらいしても、バレない)


ここで良くない部分をまとめて書くと、とにかくソフトウェアとUIが洗練されていない。まずBluetooth接続が確立していると、他のペアデバイスからの接続を受け付けない。これは本当にクソ仕様で、なんでこんな仕様でリリースされているのか理解出来ない。iPhoneからPCに接続を切り替えるのに、一旦iPhoneを探して接続を切って、それから接続をしなくてはならない。AirPodsと比べるべくもないが、普通のBluetooth製品として見ても、最低のユーザー体験だ。

そのイマイチ感は、随所に感じる。音量ボタンで電池残量を喋るのだが、ハイとかミディアムとかそういう言い方をする。UIとして考えれば、利用可能時間を喋るべきだろう。左側にコントロール用のボタンが付いていて、シングルクリックで再生・停止だが、他のコンビネーションはゴミ過ぎて覚えられないし、ダブルクリックも難しい。このデバイスで電話を取ることが出来る人は居るのだろうか。

また、メーカーのWebを見る限り、ファームウェアアップデートを提供していないように見えるのも不安だ。つまり、このクソ仕様が改善される見込みは無さそうなことに絶望する。


次に、この製品の恐らくはもっとも典型的な利用シーンの運動。これについても非常に快適だ。外音が100%入ってくるというのは、特に外で走っている時の安心感が桁違い。背後から忍び寄る自転車、路地から飛び出すプリウス、ノーマスクで抜いてくるランナーの息づかいなどがきちんと聞こえる。安全性を考えると、これはMustな装備だとさえ思うし、実際、よく見るとAfterShokzを使っているランナーは割と居る。(自転車の人も多く使っている印象)

ネック部分は固く、それなりにテンションがかかるので、少々走ったぐらいでずれる事は無い。一方で、頭の後ろに回る部分が固く、装着状態で椅子のヘッドレストに頭を付ける事はできない。踏んだりしたら壊れそうな気がするし、寝転んで使うのもかなり厳しいので、ヨガに使いたい、というような人にはお勧めしない。

重量は非常に軽く、前述したように付けていることを忘れて、音楽も何も再生しないで走ってしまうこともたまにある。穴と接合部のようなものは、マイクとコントロールボタン部分だけなので、運動で汗をかいても水道で丸洗いできるのは良い。


外出時。特に今は、あまり顔に手を触れたくないので、そういう部分での使い勝手優れている。店舗での会計時などに耳から外さなくて良いし(耳の穴は明示的に開いている)、それに前述の通り家に帰ってきたらデバイスごと流水で流せるのも、今日的な価値がある。

一方で、外音が入ってくると言うことは、街中の喧噪には非常に弱く、交通量のあるロードサイドでは言葉を聞き取ることは難しい。地下鉄での利用も諦めた方が良いだろう。また、振動部分が露出しているので、それなりに音漏れはあると思われる。やはり、公共交通機関で積極的に使うものでは無い。


最後に、音質について。これは、音楽をじっくり聴くためのものでは無い。YouTubeのレビューでは鳥肌が立つ、などと言っていたが、個人的にはそんな事は無い。得意な音楽のジャンルは、相当にわかりやすく決まっている。ダメなものは全然ダメ。アコースティックの弦楽器とかは良くて、耳を塞がずに弦の音が頭に入ってくるので、電脳にでも換装したような、とても不思議な感覚を味わえる。一方で、ドラムとか打楽器系はダメ、特にメタルとかバスドラムが大事なヤツはむいていない。また、意外と低音を含む笑い声とかが、不愉快な振動を皮膚に感じる。

音の特性から考えると、Audibleで何か聴きながら静かな場所を散歩、夕暮れの川辺を静かな音楽を聴きながら走る、とかにはこの上なく向いている。風の音も、水の音も全部入ってくる。頭の中にスピーカーを付けたような感じ、とでも言えば良いだろうか。

製品としては、優れたハードウェアに、イマイチのソフトウェア、というのが半年使った感想だ。想定する利用シーンが適合する人にとてもお勧め、合わなければ埃を被る、そういうデバイスだ。

Audrey Tang

Photo: “Street corner.”

Photo: “Street corner.” 2016. Tainan, Taiwan, Richo GR.

NYCのタクシーのリアルタイム利用状況のオープンデータをサブスクライブして、ちょっと待って、BigQueryの中を見ると早速データが貯まっている。乗車時間、距離、料金、etc..。そりゃ、神になったような気分になるだろう。こんな風に人の生活の有り様を、遙か彼方から俯瞰して見ることができれば。データを持つものが神だ、という意味が体感として分かる。笑みだって、こぼれるかもしれない。

その笑みが、左右非対称に歪んでいない事を、望みたい。


少し前に、台湾のデジタル大臣であるAudrey Tang(唐鳳)のセッションを聞いた。僕はそれまで、マスク分配のシステムを作った天才、という薄っぺらいメディアでの紹介以上の事は知らなかった。しかし、内容はとても深くて、彼の主張は、ネットの力のあまりの悪逆非道ぶりにうんざりしかけていた僕に、未来への希望、みたいなものを感じさせてくれた。

ネットの、好ましい方向への力の使い方。技術によってDemocracyを進化させるという意志。この人は世界を変える、それも良い方向に。オープンソースとかそういうものの、本当の意味と力を、初めて理解したような気がした。


Audreyの大臣としてのjob descriptionはこのようなものだと言う。

When we see “internet of things”, let’s make it an internet of beings.
When we see “virtual reality”, let’s make it a shared reality.
When we see “machine learning”, let’s make it collaborative learning.
When we see “user experience”, let’s make it about human experience.
When we hear “the singularity is near”, let us remember: the Plurality is here.

AIは中国のように独裁で規制がない方が効率的で進化が早い、などと言う事を軽々しく口にする、思想の無い薄っぺらいどこかの専門家などとは違う。個々人の多様性と、プライバシーと、協働を尊重する事を、オプションではなくて出発点にしているのだ。

それにしても、非英語圏のビジョナリーは世界からいかに見えない事か。(Audreyはもちろん英語を話す、下のYouTubeで観られるが、かなり早口だ)COVID-19の対応で台湾が世界的に注目されなければ、Audreyの名前もここまで広まらなかっただろう。しかし、アジアにいる僕には逆にメリットがあるとも思えるようになった。Audreyのような、非西欧圏に生まれたビジョナリーが、未だ沢山居るはずなのだ。

Double Big Mac 2020 – AKA Mega Mac 2007

Photo: “Double Big Mac - AKA Mega Mac”

Photo: “Double Big Mac 2020 – AKA Mega Mac 2007” 2020. Tokyo, Japan, Apple iPhone XS max.

Slackのチャットで、成城石井で最近見つけたうまいものを晒し合っていると、むしろマクドナルドが無性に食べたくなってきた。ジャンク上等。

浅ましくも、ビッグマックのクーポンが存在するのか、念のためアプリを起動すると、倍ビッグマックがレコメンドされてくる。倍?今なら100円プラスで肉を倍にできるとの事。つまり、ビックマックの肉を4枚に出来る。おまけに、今ならポテト全サイズが150円で、野菜をバランス良く摂取することもできる。


夕方のマクドナルドはそれなりに混んでいた。聞くとも無く周りのオーダーを訊いていると、倍ビッグマックは人気だ。単品でビッグマックとポテトを包んでもらって、いそいそと持ち帰った。

姿見えぬ熟練クルーが作ったと思しき倍ビッグマックは、なかなかの組み立て具合だ。早速食べてみると、これは、ビッグマックのファンは食べた方がいい、という感想。あのパサパサの肉感がさらに増している感じで、できればソースは増やして欲しかったが、トータルで考えるとタンパク質をより摂取出来るので栄養バランスが改善されている。はず。

で、ふと思ったのだが、これってメガマックでは無いのか?2007年に、食べた記録があるのだ。僕が覚えていなくても、このWebサイトが覚えている。