ヒトラー ~最期の12日間~

ヒトラー ~最期の12日間~ スペシャル・エディションヒトラー最期の 12日間を見る。

良くできていると思う。制作者はとても大きなリスクを冒し、ある種の挑戦をして、勝っている。つまり、ナチスという難しい題材を扱いながら、映画自体では何かを裁く、ということをしていないのだ。受け取り方によっては、ナチスに同情的にとることさえ可能だろう。この題材で、そういう余地があるということは、作り手としてはとてもリスクのあることだ。それでも、見る人間に判断を委ねる姿勢を貫くことによって、モノを作る人間としての誇りを示していると思う。


全体の印象として、ドイツ降伏までの最後の 12日間を文字通り、映像にする、というところに、執拗なまでに集中したことで、発散しがちな題材をうまくまとめている。BGM はほとんど無いし、派手なカメラワークも無い。映画に感情を煽られていると感じるような場面は、とても少ない。それだけに、例えば、時々織り交ぜられる物陰から覗いたようなカット割りも効果的だ。

映画自体は、ある程度歴史の知識があることを前提として作られている。人物説明的なシーンは殆ど無いので、登場人物の名前を聞いて、それがどんな立場の人間だったかが分かっていないと内容を理解することが出来ない。その意味で、これはエンターテイメントではない。が、決して退屈な作品でもない。


ドイツの俳優というのを殆ど知らないが、キャスティングも良い。背中を丸めて、モグモグと夕食を食べている、疲れ切り、老いた男。そんなヒトラーの演技は、恐らく、スクリーン上では今まで一度も描かれたことが無いものだと思う。

ヒトラーの恋人、エバ・ブラウンのキャスティングも良い。妹の旦那が銃殺されることを知って、命乞いに来た時、「私の意志だ」と言われて、一瞬表情が変わり、「はい、総統」と言った時の演技は印象的だった。ヒトラーのある面では唯一の支配者であり、そして、同時に崇拝者でもあったと思われる、エバの空気が、伝わってくる。

Lumix LX2

mark539.jpg16:9 CCD搭載のLumix LX2を貸してもらった。
最近、きみまろズームで物議をかもしている(というか、あの広告の意味を、ライカのアライアンス担当者は認識しているのだろうか)Lumix。どんなモノか、少し使ってみた。
16:9 CCDは、通常の4:3でも使えるが、やはり16:9モードで使いたい。とはいっても、都合良くどこかに出かけるわけでもないので、晩飯撮り。これは何かというと、揚げたカニですね。フレンチで揚げたカニがあるとは知らなかった。
手ぶれ補正のような近代的な(普段使っているのが、時代に取り残された系のカメラばかりなので)機能が付いたデジカメを使うのは初めてだったが、印象としてはやっぱりブレるものはブレる、という感じ。レリーズが重いので、慣れないとこれも手ぶれの原因になる。ちゃんとホールドして、しっかり撮るのが大事なことは基本として変わらない。
意外だったのは、autoのホワイトバランスがあまり良くないこと。(掲載の写真は後で補正している)これは、日光下での写真でも同じで、色かぶりがある。その他の画の印象は、良くも悪くもニュートラルな感じだった。一言で言うと、NHKみたいな画?だろうか。松下はHDカムも作っているし、16:9だからそんな気がするのかもしれない。
ユーザーインターフェイスは直感的で反応も速く好印象。特に感心したのは、絞り優先AEのモードがあることだ。RAW保存にも対応するし、内容としてはかなり本格的なものだと思う。レンズが沈胴式ではなく、レンズキャップが必要なのは、使い勝手の部分ではかなりのマイナスだ。
意外だったのは、16:9はデジカメの一般的な最多用途(少なくとも僕の周りでは)と思われる飯撮りにとても便利。だいたいお皿を横から撮ることになるので、横長の画面はとても収まりが良い。