ダーウィンの話

Photo: “The discounted fact.”

Photo: “The discounted fact.” 2019. Okinawa, Japan, Apple iPhone XS max.

ダーウィンの話にしろ帰還した爆撃機の弾着痕の話にしろ、もっともらしい嘘をどや顔で繰り出してくるのはもう結構。そういう浅薄な嘘に騙されない深い教養を、時間をかけて育てるのが大事。

数字に強くなる、というテーマの某ビジネススクールの講座からして、嘘エピソードをガッツリ紹介していて、お前が騙されてどうするんだよ、としかツッコミが思いつかない。ビジネスなんちゃらが信用出来ないのは、そういう所なんだよ。

「統計的に見て、強化すべき爆撃機の場所は、弾着痕の箇所かそれ以外か?」

正しい答えは「どちらとも言えない」だ。だって、そんな調査結果は存在しないのだから。(そして、こういう受講態度は講師の不興をめちゃめちゃ買うのだ。オンラインで良かった。)


浅薄な教養から距離を置きたいと思う。そういう所から、ちゃんと距離を置いているPodcastがあって(カルチャートークラジオ「カエサルの休日」 / 「ハードボイルド読書探偵局ラジオ」)、最近良く聞いている。どっちにも出ている、乃木という人の知識が凄いなぁと思う。

さて、分かりやすすぎる事に飛びつかない、そういうのは大事。でも、実際には、実は、安易なTipに飛びついて5割の正解を追っていく方が、うまい人生が送れてしまうんじゃ無いかと疑っている。。

スパム 11等分

Photo: “Luncheon meat*slicer.”

Photo: “Luncheon meat*slicer.” 2019. Okinawa, Japan, Apple iPhone XS max.

スパムを切ると、包丁がベタベタになりますね。

そんな時は、このスパムカッター。(現地風に言うなら、ポーク・ランチョンミート・スライサー)やっぱりこういうのが欲しかった。なんとゆで玉子を切るのにも使えるという。

いや、年一使わないと思う。


なにげに日本製で、気合いを入れて作られている模様。

それにしても、何故アピールポイントが11等分なのか。おにぎりに載せるのに、ベストな厚みになるという事か。

毎年、なにかと理由を付けて沖縄のデータセンターに行っていたが、それもとんとなくなってしまった。そして、台所に安売りされていたスパムは、有るのだ。(チューリップでは、残念ながら無い)

晩春、麦秋、東京物語

Photo: "Daydream."

Photo: “Daydream.” 2017. Tokyo, Japan, Fujifilm X-Pro2, Fujifilm M Mount Adaptor + Carl Zeiss Biogon T*2,8/28 ZM, ACROS+Ye filter

Amazon Prime Videoが、いったいどういう気まぐれか、小津安二郎のラインナップを充実させている。「晩春」、「麦秋」、「東京物語」、「秋刀魚の味」、あたりが揃っている。そのことに気がついて、この正月休みに一気に観ようと言う事で、今日は「晩春」から。

1949年、つまり終戦から4年後の作品だ。そういう目で見ていると、本当か、という気がする。日本はたったの4年で、ここまで復興していたのか。あるいは、焦土と化した形容されたあの時代に、こんなに日本が残っていたのか。もちろん、映画だから小津が描きたい部分をフレーミングしているというのは、そうだろう。ただ、年代で考えて見ると、ちょっと今までのイメージとは違う。闇市とか、そういうので語られる日本の戦後の混乱期というイメージは、それもまた局所的なフレーミングに過ぎないことに気付かされる。当時の人の、それぞれにとっての、戦後の像というものが当然そこにはあるのだ。


「晩春」の筋立てやキャストは、まぁ、だいたい、いつものやつ。豆腐屋がつくった豆腐の安心感。この映画が発表された当時でさえ、「新しい風、そんなものどこ吹く風(笑い)」(注1)という評を受けている。(これは肯定的な方の評だが)

この映画はしかし、同時期に撮られた他の幾多の映画は廃れてしまったけれど、豆腐は残った。当時、復興期に映画を撮っていた若い世代の監督達には、なんとも歯がゆく映る映画だっただろう。しかし、残ったのはこちらなのだ。

一方で、生涯独身だった小津が、なぜ娘の嫁入りというテーマを何度も描き続けたのだろう?とシンプルに疑問に思う。それにしても、監督が得意なテーマをずっと描くというのは、観ている側にとっては幸せなことだ。押井守がパトレイバーや攻殻機動隊をずっと撮っていてくれたら、どんなに良かっただろうか。でも、たいていは、そういう風にはいかないものだが。

注1:『小津安二郎 晩秋の味』、尾形敏朗、河出書房新社 2021、p75 深作欣二(深作欣二・山根貞男『映画監督深作欣二』ワイズ出版)