どこを開いても、秋刀魚の味

Photo: “Taxi.”

Photo: “Taxi.” 2005. Tokyo, Japan, CONTAX T3 Carl Zeiss Sonnar T* 2.8/35, Kodak 400TX.

ともあれ、取り置きを頼んだ雑誌を丸善に取りに行ったついでに、少し本を見ようと思った。”あなたもデータサイエンティストになれる”みたいな本が平積みされていて、もちろんそんなものを読んだところで、データサイエンティストには多分なれないが。(しかし、あるいは万が一なれるかも知れない。。)


そういうものに、心底うんざりして、絵本のコーナーを通り過ぎて、映画のコーナーに来る。テクニカルに映像技術みたいな主題のものを、買おうかと思った。
でも結局、最初に目に付いた小津安二郎の本を手に取って開いた。秋刀魚の味について書かれたページだった。そのまま、レジに持っていった。後から読んでみると、それは秋刀魚の味について書かれた本であって、実は、どこを開いても秋刀魚の味なのだった。


道を行く人は、ダウンジャケットとかコートとか、ずいぶんと大層な格好をしている。僕は秋物の薄い茶色のセーターだけで、それがやや奇異に映るだろうか。今日はそんなに寒いだろうか?大して風は無いのに。ちょっと近所に行くような風に出てきてしまったからか。長く飛行機に乗るときに必ず持っていった、毛糸のカーディガンも持っては居るのだ。それも、この2年まったく飛行機で着ることはなかったのだが。
(1年前のメモ。この時買った本は、この稿に繋がる)