Light Room Classicをローカルストレージ前提で使う

Photo: “Yosakoi festival.”

Photo: “Yosakoi festival.” 2006. Tokyo, Japan, CONTAX T3 Carl Zeiss Sonnar T* 2.8/35, Kodak 400TX.

だましだまし使ってきた、最後の買い切りライセンス版 Adobe Light Roomが、ついにiPhoneからの読み込み中にメモリーリークで返ってこなくなった。写真の枚数が万単位になっている以上、いつかは覚悟していたが。機能面では今のバージョンで何の不満もない、このページで使っている写真は、ごく軽い色調やグレインノイズの調整を行うだけなのだ。幾つか、Adobeオルタナティブも試してきたが、自分の使っているディレクトリ構造に合わせて仕分け出来なかったり、そもそもが同じだけのスケールに対応できなかったりして、Adobe一日の長というか、軽く10年の長を感じただけだった。


Amazonかヨドバシで一番安いサブスクリプションライセンスを買おうと思ってレビューを見てみると、いくつもの罠が。まずフォトプランじゃないと、ローカル実行のLight Room Classicが使えない。危ない、自分の用途的に、意味の無いものに手を出す所だった。

しかし、1TBオンラインストレージ付きのフォトプランは、ノーマルのLight Roomに比べて倍の価格。ぐぬぬ、と思いながらほぼ買いかけたのだが、念のため、試用版で今の写真枚数で問題無く読み込めるか確かめようと考えた。で、Adobeのサイトを見ていて気がついた。フォトプランが2種類ある、そして1TBと、なんと20GBのプランというのが選べる。Amazonのレビューで書いてあった「Adobeのサイトだけにある安いプラン」というのはこの事だったのか。

そう、Adobeのサイトには、オンラインストレージが20GBだけのプランで、月1,000円を切るプランがあるのだ。プライベートで使うのだから、データの受け渡しに使うオンラインストレージは全く不要。早速試用開始。


無事に読み込めた、流石に企業の現場で鍛えられてるだけあって、スケールする。新バージョンは多機能になっていて、AIでマスク生成とかやると、激重いのだが、色調整以外の加工はせずカタログ整理なら古いMacBookでも実用レベル。しかし、プライベートでもAdobeの軍門に再び降ることになったか。

シリコンバレーの凋落と、Uberの搾取。あるいは、BigBet.

Photo: “Big Bet from BURGER KING.”

Photo: “Big Bet from BURGER KING.” 2023. Tokyo, Japan, Apple iPhone 14 Pro Max.

以下は、2020年に書いたメモから。時間は経過したけれど、基本的に感じていることは変わっていない、どころか強くなっていると思う。


少し前に何かのオンラインセミナーを見ていて(近頃はなんだってオンラインセミナーだ、とても助かる)、シリコンバレーで働くをテーマにしたパネルディスカッションがとても面白かった。ビッグテックで働くキラキラライフ、みたいな内容かと思ったら、パネラーの中にシリコンバレーは将来デトロイトみたいになる、と断言するアメリカ人が居て面白かった。

実際、シリコンバレーから他州に本拠を移す企業は増えているし、新しく注目されるテクノロジー企業は、米国が本社ではなかったりもする。それはともかく、彼はシリコンバレーが見捨てられる一つの理由として、それが生み出した経済の「業」について言及していた。曰く、当時シェアリングエコノミーの輝ける星だったUberを、一握りのテックが儲けるだけの搾取の仕組みだ、と言い切っていたのだ。

Uberは、人生はお金に変換可能だ(残念ながら、その逆は無い。)、という事を分かりやすくデジタルに現出させる。Uberを、お金がもらえる位置ゲーと捉えられる人にとってはなかなか良いだろう。そうじゃなければ、厳しい。街を急ぐ、コミュニティーサイクルにまたがった自営業者の姿を見ながら、ある種の寒々しさを感じるのは、僕が十分にテックの明るい未来を信じられていないからだろうか?


こうしたサービスの捉え方は、その人の立場によって違うだろう。時間は無限にあって、それを換金することが、とても割の良い取引に思えるなら、つまり一般的に言えば十分に若い人にとってなら、自由で選択的な働き方として、魅力かもしれない。しかし、何の経験値も残らない、何のロードマップも無い、使う側からすれば、無限に取り替えが利く。いかに洗練されたシステムが構築されていたとしても、本質的には代替可能な労働力を効率よく使うというのが、鍵になってしまう。

もちろん、そういう種類の労働は無数にある。ただ、それをテックが追求したときに、恐ろしく逃げ場の無いものができあがってしまうのではないか。それは恐らく、理想と、善意と、相当な無関心、あるいは想像力の意図的な欠如によって運営される事になる。なお悪いことに、利用する側にとっては、とても便利でコストパフォーマンスは高いに違いない。


ーーー2023年。初めて、Uber eatsを使ってみる。家までバーガーキング(徒歩圏には無いのだ)のBigBetを運んできてくれた青年は、恐ろしく感じが良くて、180センチはありそうな堂々とした体躯だった。完璧なコンディションで届けられたワッパーを受け取りながら、とはいえ、Uberをやることは2023年現在、まだ十分にクールな事なのかもしれない、とも思った。

ウニより、うにせんが好き

Photo: “都合良くウニの写真なんてない。”

Photo: “都合良くウニの写真なんてない。” 2017. Tokyo, Japan, Apple iPhone 6S.

それにしても、改めて気がついたのは、ウニの寿司はそんなに好きじゃ無い。

大昔に、ホビージャパンのコラムに書かれていた(そういう小さいコラムのようなものが昔から好きだった、なので自分でも書き始めた)、北海道かどこかのウニ丼、ご飯の上にネギか何か薬味がのってて、それにウニがのってて、みたいな数行の記事を見て、親にウニを買ってきてもらって食べたのだ。


親も別にウニ丼なんて見たことも無かったのだと思う。ご飯の上にネギ、その上にウニ、みたいな文章通りにできあがった茶碗の中のウニ丼。なんか、正直、完璧にうまかったわけじゃないけど、買ってもらった手前喜んだというのは否めなかった気がする。

でも、実はうにせんのほうが、素直においしいのだ。スーパーで買える中では一番美味いと思うヤツが、成城石井で一時期姿を消していたが、最近また買えるようになって嬉しい。