ビアバーのトイレの扉を潜るとウサギ。
「よっ」
「こんにちは」
あ、ウサギだ。
「最近よく来るね」
「ビール美味しい?」
ん?二回しか来たことないよ
「もっと来てるさ」
「そっくりだよ」
え、そんなバカな
「夏はね、そういう似たのが出るんだよ」
「知らないうちにね、そっくりの自分がね」
なんか気味悪いな
「なんてことないよ」
「ビール飲んでるだけだしね」
なんだそうか、じゃあ気にしない
「でも、気をつけろよ」
「財布のお金減ってるでしょ、知らないうちに」
俺が払ってるの?そりゃないよ
タグ: 対話
鮨屋のショーケースのカッパ
慣れない町で、初めてのバーを開拓して、窓際のテーブルで飲んでいると、向かいの鮨屋のショーケースがどうも気になる。鮨屋のショーケースなのに、鮨のようなものが全く入っていない。何故か、カッパのようなものが入っている。
店を出て、ショーケースをのぞき込むと、やはりカッパである。
「なにしてんですか?」
「ん?俺か?」
「ここは鮨屋ですよ」
「まあ、ほらカッパ巻きとかあるから」
「まあ、そうでしょうが。」
「広い意味では、プロモーションだよ」
「なるほど、、なんかこう、和む雰囲気がありますね」
「よく、誰かに似てるって言われるんだけどね」
「ああ、そうかもしれません」
「いや、でも俺カッパだから」
ゲコゲコ
ゲコゲコ
死んじゃったんですか?
ゲコゲコ
もう、夏も終わりですからね。
ゲコゲコ
もうすぐ、静かな季節が来ますね。
ゲコゲコ
おやすみなさい。
ゲコゲコ。。