太平洋を遮る洗濯物

Photo: 洗濯物 2004. Japan, Contax RX, Carl Zeiss Planar T* 1.4/85(MM), Kodak EB-3

Photo: “洗濯物” 2004. Japan, Contax RX, Carl Zeiss Planar T* 1.4/85(MM), Kodak EB-3

おまけ。

ようやくたどり着いた宮崎。輝く太平洋を遮る洗濯物はなんですか。


昨日ホテルにたどり着いた時には、もう 10時をまわっていて、レストランは軒並みラストオーダー。そして、ここはリゾート地だけに、飲食店なんか何もない。

コンビニか、コンビニしかないのか。500円の塩豚カルビ丼が晩飯。地鶏焼きの真空パックをつまみに、餞別にもらった泡盛を飲みながら漆黒の闇を眺める。なるほど、オーシャンビューって、夜は真っ暗な訳か。


翌朝

今年の夏はやたらに暑い。太陽の降り注ぐ太平洋上の甲板では、立っているだけで汗が噴き出す。適当に持ってきた着替えが、直ぐに底をつく。かといって、Tシャツの売値より高いホテルのランドリーサービスに出すのもなぁ、、。ということで、洗って干されるシャツ達。高級リゾートホテルで洗濯してはいけ ません。

言葉

いつものように、僕は家への行き先を告げて、いつものように窓の外に視線を移した。

「綺麗な言葉をつかいますね。」

何のことだか分からなかった。別に、丁寧なわけでもなく普通の言葉使いだったし、中身もいつもと同じだったが、運転手の心にはなにかが響いたようだった。

タクシーの運転手は今月の 7日に 71歳になったという。

「今日は、25人って決めてたから、お客さんで終わりだ。最後に、良いお客さんも乗ったし、帰ってバタンキューだ。」

その日、僕は少しだけ嬉しい気分で、車を降りた。


それから、もう何年経っただろう。彼は、まだ走っているだろうか。

The Maple Leaf

Photo: The Maple Leaf 2006. Japan, Zeiss Ikon, Carl Zeiss Biogon T* 2.8/28(ZM), Kodak 400TX.

Photo: "The Maple Leaf" 2006. Japan, Zeiss Ikon, Carl Zeiss Biogon T* 2.8/28(ZM), Kodak 400TX.

渋谷のスペイン坂、の近くの坂、からちょっと入ったところにある。ようは、ちょっと分かりにくい。

カナダの国旗があっけらかんとかかっているのが、その店だ。


値段は、まあ、そんなに安くはないんだけど、都内で一番広々したテーブルとか、日本語で注文できるのかどうか不安になる多国籍店員の鷹揚な接客とか、焦げ目のしっかり付いたハンバーガーとかが好き。

容赦なくでかいハンバーガーを食べて、しつこいしつこいブルーチーズソースでマッシュルームフライを食べて、キルケニーを飲むと、もう何もいらなくなってしまう。だから、この店にきたら、結構、それで終わりになってしまう。


そのせいか、何人か連れてきたけど、皆あんまり好きじゃないみたい。だけど、僕はこの店好きなんだけどなぁ、、。外はまだ明るくて、そんなのを見ながらビールを飲むんだ。