ステーキの焼き方を教わる

Beef steak.

Photo: “Beef steak.” 2016. Tokyo, Apple iPhone 6S.

とあるレストランの店主にステーキの焼き方を教わったのは、もう10年も前の話になるだろうか。

僕は今でも、それを忠実に守って焼いている。そして、結構うまく焼けるようになってきたと思う。くり返しやっていれば、なんでも形になってくるものだ。

結局、肉は常温にきちんと戻す、これが一番大事で、これが出来ていればだいたいはうまくいく。あとは、恐れずにしっかり火を入れるだけだ。(焼くときに牛脂を使う、というのは別の焼き肉屋の店主に教わった、もう一つのコツだ。)

ただ、もうそれを僕に教えてくれた人は居ない。つまり、実に、沢山のものを失ったのだ。

俺レシピ ジャンポン・ペルシエ シルブプレ

MACON-LUGNY SAINT-PIERRE and Jambon Perisillé

Photo: “MACON-LUGNY SAINT-PIERRE and Jambon Perisillé” Tokyo, Apple iPhone 6S.

諸般の事情により、週末は家飲みになったので、何か食いたいモノがあればネットで注文しておくから教えるように。何気ないその問いに、

「ハムとパセリのゼリー寄せ」

という回答をよこしやがった。なんだそれは。

アルコール品種の中で、最もワインに興味が無かった友人が、業務命令でソムリエ試験を受験させられているのは、僕にとっては大変面白い事なのだが、実にソムリエ試験というのは料理だのチーズだのも散々勉強しないといけないようだ。

そして、その「ハムとパセリのゼリー寄せ」こと、正式名称「ジャンポン・ペルシエ(jambon perisillé)」は、マコンの白ワインとの組み合わせ料理として、ソムリエ試験のテキストによく出てくるようである。そんな料理、見たこともないけどね。

そういう事なら、作ってあげましょう。


レシピを調べてみると、別にそんなに難しくない。ポイントはコンソメをゼリーにするために、正しい温度でゼラチンを投入しなければならないぐらいか。これは調理用温度計を持っていれば、難しくない。(料理用の温度計は持っておいた方が良いものだ)

ハムを一センチ角に切り、パセリも刻んでおく。パセリは間違って、イタリアンパセリを注文してしまったが、まあしかたない。コンソメスープを作り、みじん切りのタマネギを煮て、オニオンスープのようなものを作る。胡椒を少々。火を止めて 80度ぐらいまで下がったら、ゼラチン投入。

型にハムを並べ、パセリを散らす。スープを注ぎ、冷ましながら粘度が付いてきたら、具が適度に散らばるようにスプーンで調整する。だいたいあら熱を取ったら、冷蔵庫にぶっ込めばできあがり。


作った以上は、この料理に合わせることになっている、マコン・ブランというものを買ってきて頂きましょう。いったいどこで売っているかは知らんが。

LINEで型に入ったジャンポン・ペルシエを送りつけられた友人は、ちゃんとマコン・ブランを見つけてきた。手提げ袋を見るに、三越まで行ったのか。

The saucy vs. the mackerel.

Photo: “The saucy vs. the mackerel.” 2015. Tokyo, Japan, Apple iPhone 5S.

俺の鯵の向こうで、季節の王者 秋刀魚が焼かれている。

頑張れ鯵!

俺は、鯵を応援する。
30円安いけど誤差だ!