オウムみたいなのを無理矢理飛ばして遊ぶ

Photo: Bird Strike iPhone 3GS, 2010, screen capture.

Photo: “Bird Strike” iPhone 3GS, 2010, screen capture.

家にゲーム機と呼べるものは何も持っていないのだが、iPhone でちょっとやるゲームというのが意外に面白い。Final Fantasy, Ace combat, Street Fighter あたりの比較的高価で、めんどくさいゲームは意外と長続きはせず、ああそういえば僕は昔からゲームの才能が全くないんだったと、思い知らされてやめてしまうのだが、100円とか無償とかの小さいゲームが結構良い。

古くはトイレットペーパーをひたすら引き出すゲームとか(これは友人が2秒45を叩き出して以来、やる気を失った)、インスタント焼きそばをつくるゲームとか(これはまた別の機会に語る)、くだらなくていい。


で、暫く前からしつこくやっているのが、オウムみたいなの(なんの鳥なんだろう?)を無理矢理飛ばして遊ぶゲーム、Bird Strike。レビューを見ると、「アメコミなノリについて行けない」とか、「トリの声がむかつく」とか散々書いてあるのだが、僕はこの飛べないオウムみたいな水色の鳥が、凄く気に入ってしまった。

ゲームのルールは簡単で、水色のオウムみたいなのを、電線で無理矢理飛ばす。で、できるだけ高く飛ばして UFO のいるところまで飛ばす。そういうゲームだ。ただ、鳥ではあるが飛べないので(一応、自分でパタパタして、飛ぼうとする努力はしているようだ)途中にあるロケット花火とか、上昇気流とかにうまく飛び移って、空を目指すのだ。

空には、鉄骨とか、洗濯物とか、でかい鳥とか、気球とか、色々障害物があって、ぶつかると落ちてしまう。ロケット花火で飛んでいくときには、「ウゥーヒャー!」みたいなかけ声をかけつつ飛んでいくのだが、ゴッツリ鉄骨に当たったりすると、真っ逆さまに落ちていく。落ちる直前に、パタパタあがくのがいい。

ま、それだけのゲームなんだけど、落ちても落ちてもロケットで飛んでいく彼は、結構、やる鳥だと思う。

追伸:探してみたら、ゲームの様子がYouTubeに上がってた。「ウゥーヒャー!」みたいなかけ声が聴けます。

TEDxTokyo (Ideas Worth Spreading)

プレゼンテーション技術とか、そういうものの本を読んだりしていると、必ず行き当たるのが、TED(Technology Entertainment Design)という単語だ。

詳細はwikiのTEDのエントリに譲るとして、この団体が無償で公開している大量のプレゼンテーションのコンテンツのクオリティーの高さには本当に驚く。実際にイベントに参加するためには、70万円ほどの年会費が必要だ。高い、しかし、それが無理なら無償(!)でネットでコンテンツを見ることが出来る。Ideas Worth Spreadingという彼らのコンセプトが、ネットと結びつくことで、選りすぐりの知性がノーコスト(もしくは、限りなくローコスト)で提供されているのだ。


TEDのコンテンツはいつでも、誰でも観られる。

ただし、それを見つけられるかそうでないか。それにアクセスして、3分?1時間程度までのプレゼンテーションを見る気力があるか。そして、自分の何かを変化させようと思うのか、思わないのか、誰に強制されるわけでもなく、どこまでも個人の裁量の範疇だ。

個人的には、カメラマンのジェームズ・ナクトウェイのTED Prizeを受賞した講演「James Nachtwey’s searing photos of war」にかなりのインパクトを受けた。プレゼンテーション技術があるわけでは無いし、スライドも自分が撮った写真だけだ(これはちょと反則かもしれない、彼の写真よりも聴衆に迫るビジュアルを作れるプレゼンターは、まず居ないだろう)。にも関わらず、写真を撮ることが、世界を変えるんだ、という静かな信念をとつとつと語る姿勢に、鬼気迫るものがあった。

この講演はちょっと長いので(20分)、手短にTEDがどんなものかを知りたいのであれば、下に貼ってあるデレク・シヴァーズ 「社会運動はどうやって起こすか」を観てみると良いと思う。このプレゼンテーションはたったの3分だが、観る前と観た後では、世界に対する見識が数ミリ変わってくると思う。プレゼンテーションの巧さもさることながら、説明に使っているビデオも秀逸。元々ミュージシャンの人らしいけど、短い時間のプレゼンが巧いというのは凄い。(View subtitlesを押せば日本語の字幕も出ます, iPhoneの方はこちら

21世紀に入ってのネット社会の広まりは、ただ商業主義的な側面ばかりが目立った10年だったと思う。しかし、もっと知識とか共有とか、そういう方向性にネットを使っていく流れが確かなものになってきていることを、最近特に感じるようになった。


丁度今日、TEDxTokyoのイベントが開かれていて、中継映像ももちろん見ることが出来る。

WordPressに移行

羊ページはblogではなかったし、そうするつもりもあまりなかった。数年前、NucleusとMovable Typeは実際に使ってみて、CMSでの置き換えができないか試してはみた。しかし、それは無理、という結論に達した。自分がやりたいことをするためには、かなりのカスタマイズが必要で、CMSスクリプト本体に手を入れることは、バージョンアップを不可能にし、結果、継続的な運用が不可能になることを意味する。


3度目の正直。blogのCMSとして、近年大きなシェアを持っているWordPressはCMS本体、周辺機能のプラグイン、デザインテーマの3つの要素が分離されている。相互の互換性の問題はゼロではないが、メインテナンス性を維持したまま、自分の求めるカスタマイズされたサイトを構築ができるのではないか?そう思って試してみた。

もちろん、CSSとjava Scriptを前提としたWordPressに移行することは、旧世代のブラウザとの互換性を破棄することを意味する。スタティックで軽量、かつHTML4に固執してきたこのページのポリシーを捨てるのか?という迷いはやはりあった。


決断したのは、iPhoneを使うようになったことが一番のきっかけだったと思う。レガシーな技術を使うことで間口が広がる、という考え方が、まったく意味を成さない。iPhoneを半年使って、そう考えるようになった。ホームページからblogへのパラダイムシフトが、更にtwitterにシフトしたことを目の当たりにした。そして、より柔軟な出力形態に耐える仕組みに移行しなければならないという、切実な感触を持ったのだった。

実際に、WordPressを使ってサイトをつくってみると、想像以上に自分のしたいようにカスタマイズができる。ひつじログを作ったときに、CMSの制約に縛られたLook & Feelに、読者の反応は拒絶に近い物があった。今までのページと全く同じものを再現する必要は無いとは言え(むしろ、それでは無意味だ)、Look & Feelはあまり違和感の無い形で移行したかった。3度目の試みでそれができるのではないか、という感触を持ったのだ。


標準のテーマを最小限の改造と、プラグインの追加でそれを実現できないか。約二ヶ月、ちょっとずつ試してきた。実際にやってみると、CSSはほぼ作り直しになったが、スクリプトの変更は最小限に抑えることができた。サイトの雰囲気は、それほどには、従来のサイトと変わらない感じになった(なってるといいなぁ)。そして、HTML4で停滞していた、自分のWebサイトデザインの諸々の知見も一緒にアップデートすることが出来たように思う。


最も大変だったのは、手動でコンテンツをCMSに移行していく、果てしない作業だったが、というかまだ終わっていないのだが、1,000コンテンツ移行し終わったので、ひとまず公開することにした。

Webサイトは、永遠に完成しないものであり、リリースしながら作り替えていくことこそ、ネットの本質。ということで、ひとまずWordPress版羊ページをここにリリース。

追伸:なので、iPhone, andoroid, ガラケーからも自動的に生成される専用画面で閲覧可能になりました。RSSフィードも出してますし、サイト用のtwitterアカウントもあったりします。