寒い。
歩みをとめると、とたんに気温の下降を感じる。
頂上にたどり着く頃にはすっかり汗をかいてしまっていて、とてもまずい。山頂が思ったより遠く、想定したのと異なるコースをとったようで、家族向けのハイキングコースのつもりが、枯れた沢を遡上する旅、になってしまった。まあ、いつもの事だが。
僕がよく見ている、Man vs. Wild では水浸しになったベア・グリルスが、(氷河のど真ん中で)全裸になって焚き火を起こしたりしているが、それに習って着替える。(全裸にはならないが)乾いた服に着替えると、気分はとても良くなった。
麓のけっこう大きなスーパーで買ってきた唐揚げは、すっかり冷え冷えとして、シナシナになっている。あと、餃子を買ったのはかなり失敗だった。我々の他に誰も居ない、静まりかえった山頂で、モソモソと昼メシを食べる。でも、やっぱり登ったあとに食べるものは、それなりに美味しいのだ。(でも、実は量はあんまり食べられない気がする)
じっと座っていると寒いので、紅葉を撮ったり、twitter で呟いたりしながら食事を流し込む。カラカラに乾ききった冷たい空気に触れて、楓が真っ赤に縮こまっている。誰も居ない山の奥で、秋がしっかりと木々を覆っている。
さて、雨が降る前に下るか。