Houston, we have a problem.

Houston, we have a problem

Photo: "Houston, we have a problem" 2011. TX, U.S., Apple iPhone 4S, F2.4/35

ヒューストン、早朝。風呂の中。
晩飯がビール三本と、タコス二つでは、腹が減って目が覚める。


時差ぼけは乗り切ったようだ。同じようなホテルでも、色んな空気がある。今回泊まっている部屋には、なんとなく親密さを感じる、良い部屋な気がする。別に上等な部屋ではない。1階の駐車場に面した窓から差し込む西日が、子供の頃に住んでいた家を思い出させるからだろうか。


初めての土地の、初めてのオフィス、初めての人々に出会う。初日は、パーティションのどっちに歩けば良いのかも分からない。でも、飛び込んでみれば、確実に慣れつつある気はする。出来ることは、少しづつ増える。

いろんな国の、いろんなベッドで眠る。
そうして、朝が来て、腹が減る。

スムーズにバケツコーラを注文するための、秘密の呪文

Go large!

Photo: “Go large!” 2011. Las Vegas, NV, US, Ricoh GR DIGITAL III, GR LENS F1.9/28.

ラスベガス。帰りの空港、朝の腹ごしらえ。


それにしても、このポテトの山はやり過ぎだ。バーガーキングのカウンターで、「Go large!」と唱えると大量の食事を、さらに大量にする事ができるのだと、今回初めて教わった(その必要を、感じた事は無いのだが)。そして、同僚は、その呪文を一人で2回唱えた。

バケツコーラが2つと、ハッシュポテトをミニにしたものが、山盛り山盛り。最初から食べきる気、無いだろ。


もったいないとか、省資源とか、分別とか、まったく無い国。そして、直ぐにそれに慣れてしまう自分。

15年後にアメリカでまずいランチボックスを開ける

lunch box

Photo: "lunch box" 2011. US, Ricoh GR DIGITAL III, GR LENS F1.9/28.

人の流れについて行くと、地下の広いスペースが食堂とランチボックスの配給場所になっていた。

そのスペースは、見た事が無いくらい広い。もちろん、日本でも幕張の展示場などは広いが、普通の天井高で部屋がひたすら奥に続いている光景は日本ではちょと見ない。あえていえば、もの凄く明るい地下駐車場?そんな雰囲気。まるでテレビで見た、アメリカの航空母艦か州刑務所の食堂のようだ。


ホットミールというのも選べたが、時間が無いので、ランチボックスにする。普通のと、ベジと、イタリアン、みたいな選択肢になっている。イタリアンが大量にあまっており、嫌な予感はしたが、あえて取ってみた。

もう、15年前のように、ランチボックスの中身に面食らったりはしない。危険そうなショートパスタの容器は開けもしないし、岩のようなパニーニはちょっとづつ囓る。ポテチみたいなスナックの袋が丸ごとはいっていても、それは、そんなもんかと思えるようになった。そうだ、初めての海外出張でアメリカに行ってから、もう15年が経ったのだ。


その時と、感じる事は変わっただろうか。ITという世界に無限の未来があった15年前とは、やっぱり気分は違う。おっかない外人にしか見えなかった人々は、その中にも良い人と悪い人が居るんだな、ということぐらいは分かるようになった。空港やホテルに漂う、何とも言えない外国の臭いが怖くはなくなった。

そうして、ちょっと落ち着いて、外の国を見ている気がする。