シェラトン

Photo: シェラトン・グランデ・オーシャンリゾートから望む日向灘 2004. Miyazaki, Japan, Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105

Photo: "シェラトン・グランデ・オーシャンリゾートから望む日向灘" 2004. Miyazaki, Japan, Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105

すっかり明るくなった部屋の中を、薄目をあけながら見てみる。遮光カーテンを引かなかったのは失敗だ。

昨日フェリーに揺られている時には宿すら決まっていなかったけれど、気が付けばちゃんとシェラトンに泊まれている。宿は(空いている限り)、ある程度ぎりぎりになった方が、安く泊まれる。交通機関は逆だ、たいてい高くなる。


フェリーの 2等寝台 C は想像していたよりはずっと文化的だったけれど、荷物を入れてしまうと、僕の身長には足りない。シェラトンのベッドは、ボコボコ頭をぶつけて寝ていた昨日の惨状に比べたら、驚くほど快適だ。両手両足を伸ばして寝られる。

未練はあったけれど、のろのろ起き出して「オーシャンビュー」を眺める。外は曇っていて、南国の太陽は隠れていた。でも、やっぱり海の色が違う。屋久島で見た、油を引いたような輝きの海が広がっていた。

サントリー白州蒸留所、樽の火入れとスモークチーズ

Photo: ウイスキー樽の火入れ 2004. Yamanashi, Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.

Photo: "ウイスキー樽の火入れ" 2004. Yamanashi, Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.

思いつきで、白州蒸留所を訪ねる。連休のさなか、工場自体は休んでいて、静かに停まった蒸留機を見ても、大きいなぁぐらいの感想しかない。でも、最後に案内された貯蔵庫では、まさに白州の空気を吸って、ウイスキーが熟成中だ。樽から蒸発するウイスキーで、庫内の空気はテイスティンググラスの中に居るような、アルコール濃度。鼻先に、アルコールの塊を感じる。


熟成に使われる樽は、暫く使っていると「力が無くなってしまう」らしい。そこで、火を入れてやると、また「力をとりもどす」という。樽ごと燃やす気?と思うほど盛大に、火が燃えさかる。でも、樽木というのは、思ったよりずっと分厚いので(実際にばらした樽木を見せてもらった)、表面が数ミリ炭化するだけだ。こうやって力を取り戻した樽は、また新しいウイスキーを詰められて、熟成をしていく。このあたりは、凄く自然の力なんだと思う。

僕は家でアルコールを飲む習慣が無いので、お土産にウイスキーを買ったりはしなかったけれど、この樽木を使ってスモークしたチーズが美味しかった。(別にウイスキーの香りはしないよ)要冷蔵だったけど、いつ家にたどり着くか分からなかったから、白州の取水源になっている森を眺めながら、その場で食べてしまった。

注:サントリー白州蒸留所の見学ツアーは無料。でも、お土産をけっこう買ってしまうので、、。

ほんとにマニアック

Photo:福江島の入り江 2003. Nagasaki, Japan, Sony Cyber-shot U10, 5mm(33mm)/F2.8

Photo:"福江島の入り江" 2003. Nagasaki, Japan, Sony Cyber-shot U10, 5mm(33mm)/F2.8

五島列島は観光地としてはどうなんだろう。海は、綺麗だ。今日みたいな天気の良い日には、美しい色をしている。で、人はあんまり居ない。少なくと も、東京あたりから来ている人が居ない。ここからほど近いと言えなくもない屋久島が、マニアックな感じを演出しつつも一大メジャー観光地として成功してい るのに比べて、五島列島は、ほんとにマニアックなのだ。


僕たちは、福江島に一つある SATY で水着やらピクニックシートやらを買って、子供とお母さん達に占領されている、午後のフードコートでドーナツを食べた。いかにも観光客を相手にするような 店に行くよりは、こんな地元の普通のスーパーの方が、よほど安くてちゃんとしている。でも、ここではそもそも観光客向けの店なんて見あたらなくて、普通に スーパーしかない。多分、あんまり観光地ではないのだ。


ふらっと入った鮨屋の大将とかも、全然観光客慣れはしていなくて、やたらにネタがでかくて値段の安い握りは、ほんとに地方の漁師町のお昼ご飯という感じだった。

あるいは、海辺で写真を撮っていたら話しかけられた時も、地元の暇なオッサンの普通の世間話だったりした。
「なに?そのカメラ?」
「ん、CONTAX です」
「、、」

多分、変なニセモノカメラだと思われたに違いない。気まずいこときいちゃったな、悪いな、という感じで、話題は変えられていった。オッサンは、どこどこの店は現像が安い、という情報をくれたりした。ごめん、ここで現像はしないんだよ。

それにしても、今日は海の色が綺麗だね。