台風あるいは、Y2K

多分、台風が来ると、無意識のうちにわくわくしてしまう人、というのは居るはずだ。

あるいは、大雪が降りそう、なんてことになると、何かを期待してしまう人も居ると思う。

Y2K にも、どこかそんな所がある。不謹慎なお祭り気分というか、非常事態特有の盛り上がりというか、そんな感じ。しかも、僕なんかは超関係者として参加するわけだから、さらにライブ感が増すというものだ。

まあ、実際には、正月のくそ寒い中、早起きして電車に乗ったりする段階でウンザリするのだろうし、「去年は今頃スキー場だったぞ」とか思うとさらにウンザリだろう。昼飯だって、冷え冷えの弁当だろうし、コールが無くて暇でも酒飲んで待ってるわけにもいかないし、、。

漠然としたワクワク感と、散文的な現実。その意味では、大雪でせっかく気分が盛り上がっても、動かなくなった電車に詰め込まれてたちまちげっそりするのと同じことだ。


しかし、違う考え方もある。それは、輝かしい「オヤジ武勇伝」の 1ページとしてのY2Kである。この Y2K 騒動に荷担しておけば、あとあと「ミレニアム・オヤジ武勇伝」として使えることは間違いない。これは、とても貴重だ。

10年後。新年会の宴もたけなわとなった頃に、「あの時は一時間に 30本の電話をさばいたもんだよ。だいたい最近の、、」とか語りだして、不幸にも隣に座ってしまった非Y2K世代の同僚に迷惑をかけることができるのである。

戦後生まれで、全共闘でもなく、バブルにも乗れなかった世代。女子大生ブームの頃は中高生で、コギャルブームの頃は大学生だった日の当たらない世代。そんな僕らには、実は、Y2Kぐらいしか武勇伝のネタはないのだ。

注:よくよく調べてみたら、僕のシフトの時間はちゃんと(暖かい)食事が用意されるみたいだ。通常よりは、メニューの選択肢がぐっと減るが、冷やご飯よりずっといい。

リンク

羊ページは、他サイトへのリンクを、僕の個人的、かつ実世界での(妙な表現だが)知り合いに限って掲載している。これは、僕がネットに友達がほとん どいない、ということもあるし(仮想世界でのお付き合いというのは苦手)、人気が無いのでリンクを申し出てくれるサイトがあんまりない(リンク張りにくい かな?)ということもある。しかし、最大の理由は、僕自身、ネットの世界独特の「付き合い方」にあまり首を突っ込みたくない、という点にある。


例えば、羊ページのリンクにはコメントがついている。いくぶん失礼なことも書いているが、相手は皆、現実の世界でよく知っている友達。だから、「こ れぐらい書いても怒らないだろう」という読みがある。しかし、同じ調子で、メールのやりとり程度の関係しかない人を相手に、リンクのコメントなんて書いた らどうなるか。かなりの確率で、むかつかれるに違いない。

あるいは、Webサイトの維持というのは、なかなか難しいから、リンク先が開店休業になったり、路線をかえたり、とち狂ったり、行方不明になったり するかもしれない。もともと友達なら、「まあ、友達だしいいか」で済むが、ネットでのお知り会いだとそうもいかない。リンクを消したものか、維持したもの か、胃が痛くなる。まさか、「最近、貴方のサイトはとち狂っているとしか思えないので、リンクを外します」とは言えまい。あるいは、「たぶん死んでると思 うので、リンクは勝手に消しました」とも書けまい。


そもそも、リンクと言うのは、何かの関係があるから、張られるものだ。(元々は、ドキュメントの内容に関連するリソースにリンクするための機能だ) で、もしその「関係」の根拠が、「ネット上での知り合い」だけにあるとしたら、こんなに曖昧なものはないと、僕は思う。もちろん、ネットの上での知り合 い、という、ある種の「軽さ」を楽しめる人には良いのだろう。そういう「軽さ」は、確かに楽しい。しかし、僕には、どうしてもそういう軽さは馴染まない気 がする。地に足のついていない感じが、なんとなく僕を疲れさせる。

どんな疲れか、正確に言い表すのは難しい。無責任で一面的なネット上の自分の人格の上に、築きあげる関係。もう一人の自分。唯一似ている気がするのは、夜の街で遊んで、帰ってきたときに感じるような疲れ。そんな感じだろうか。

注1:羊ページは、個人のサイトからのリンクについては、自由に行っていただいて結構です。むしろ、リンクするべき。
注2:別に夜の街で、怪しく遊んでいるわけではない。誤解無きよう。

うんこプロバイダ

今回の今日の一言には、一部に、「排泄物」を意味する言葉が使用されており、不愉快な気分がするかもしれません。ご自分の判断と責任でご覧下さい。

村上春樹の小説、「1973年のピンボール」で繋がっていたのは配電盤だったが、今はいろんな繋がりかたがある。

携帯電話。

いつも誰かと、ひっきりなしに携帯で話している人がいる。あるいは、電車に乗っている間、携帯にずっとメールを打ち込んでいる人がいる。僕は、携帯電話の存在自体に関心が無い。ただ、世の中から行方不明にならないように、一応持ってはいる。雪山のビーコンみたいなもの。

僕の携帯にかければ、いちおうはつながる。ただし、僕は着信音が大キライなので、常にマナー・モードにしている。お陰で、着信に気がつかないことも 多い。それでも履歴や伝言は残るので、用は足りる。もちろん、端末の機能もほとんど使わない。登録した電話番号の消し方さえ知らない。お陰で、友達の番号 が変わると、どっちが新しい番号か分からず、大変困る。

ようは、携帯なんてどうでもいいと思っている。だから、自分の部屋で携帯がときどき圏外になっても(事実、よくなる)別になんとも思わない。通話がぶちぶち切れても怒らない。しかし、Internet への接続となると、話しは別だ。


Internet。

通勤や飲み食いの時間を除けば、平日の僕は常にオンライン状態である。会社にも家にも、Internetの環境が整っている。良いことだとは全然思 わないが、どちらも常時接続なので、つなぎっぱなしの環境に慣れてしまった。だから、家のプロバイダがおかしくなって、Internetにつながらないの は、とても困る。家に帰ったら、テレビがつきませんでした、というぐらいに困る。別に、Internetにつないで何をしているわけでもないけど。

そういう訳で、今のプロバイダには、かなり不満がつのっている。もうプロバイダの悪口はよそうと思っているのだが、最近の、週に 1、2回は接続不能という状況は、なんとも酷い。AT&T のことではない。AT&T は、とても良い。そうではなくて、常時接続に使っている、地元のケーブル・プロバイダの方だ。

プロバイダに恵まれない人は、いつまでも、よいプロバイダを求めて乗り換えつづけるという。僕は、そう簡単に乗り換えたりしないが、恵まれているとは言えない。AT&T をのぞけば、僕の選んだプロバイダは、どれも「うんこプロバイダ」である。

どうも、僕には「うんこプロバイダ」に繋いでしまう天性の素質が備わっているようだ。前のプロバイダも酷かったが、今回のもかなり酷い。僕は、「う んこプロバイダ」と付き合って 5年近くになる。従って、もはや「うんこプロバイダ」に対しての期待度はかなり薄い。IIJ や AT&T のようなブランド・プロバイダならともかく、「うんこプロバイダ」に妙な期待はしていない。

僕は、メールが送信したいとか、ニュースグループが見たいとか、ホームページをつくりたいとか、そういう期待はしていない。まして、楽しいコンテン ツサービスとか、ポストペットが飼えるとか、そんなものも望んでいない。Internet にデータが流れればなんでもいい。メールと Web は AT&T を使うから、「うんこプロバイダ」は回線さえ上がっていれば良いのだ。しかし、そのささやかな期待さえ、運の悪い日は叶えられない。

最近、このケーブル・プロバイダを、外資系の某企業が買収した。黒船パワーで、どうにかしてくれるだろうか。それとも、なんちゃって外資系路線で、このままだろうか。なんにしても、僕は、このプロバイダの怪しげな回線で、繋がっている。

注1:それでも、月 8,000円ぐらいは DoCoMo に支払っているので、使ってはいるようだ。
注2:ケーブル・プロバイダは、つながってしまえば 512kbps(ISDN 1チャンネルの 8倍の帯域幅)の回線なので、ちょとした会社のオフィス並みの速度が出る。24時間つなぎっぱなしで料金一律。
注3:技術的に説明すると、DHCP サーバと、DNS サーバ(プライマリ・セカンダリとも)が落ちるので、何も出来なくなってしまう。2時間ぐらいで直る、こともある。