Nikon フィルムスキャナ SUPER COOLSCAN 5000 ED

フィルムスキャナを買おうか、という人が居たので、ふと今はどんな機種が出ているのだろうと調べてみた。そうすると、なんと Nikon と Epsonぐらいしか現行機種が無い。デジカメ全盛の影で、フィルムスキャナもまた、廃れていく製品というわけだ。

それはそれとして、今まで使っていたフィルムスキャナMinolta DiMAGE Scan Elite も気がつけば1999年の製品であり、これが壊れてしまうと、次が無いかもしれない。なんといっても、光源が蛍光管。これが切れたら、もうおしまいだ。

さて、数少ない現行機種の中のミドルレンジ(AFやDigital ICEが付いているという意味で)はNikon SUPER COOLSCAN 5000 EDで、光源は時代の流れでLEDになっている。DiMAGE Scanで猛烈に面倒な、フィルムホルダ方式ではなく、自動ローディングでバッチスキャンが可能だという点がとても魅力。それに、DiMAGE Scanが苦手にしているネガカラーフィルムの色再現もなかなか良さそうだ。

ということで、気がつけば、バッタ屋げなネット通販で購入していた。「初期不良対応はしません。メーカー修理になります」と力強く書いてあったのが気にはなるが、まあいいか。あまり当てにしていなかった在庫有りの表示はちゃんとしていて、振り込んだ当日に発送、翌日到着した。


が、ここからが長かった。フィルムスキャナは、可動部品と光学部品のカタマリだから、トラブルに遭う人も多いと思うので、詳しく書いておく。

開梱して早速接続してみる。接続はUSBなのであまり気を遣わないで良くて楽だ(後に、本当に純粋なUSBデバイスなのか?という疑念がわくことになるのだが、、)。スキャンには、付属の純正ソフトNikon Scanか、その道でよく使われているシェアウェアのVueScanが利用可能だ。Nikon Scanは最新版が同梱されていたが、最初に旧版がインストールされ、それから自動的に最新版へのパッチが当てられるので、少々戸惑う。

ドライバと、スキャンソフトウェアをインストールしたが、ここでトラブル。LEDが高速点滅し、Nikon Scanの立ち上げ時に「ハードウェアエラー」の不吉な表示が。デスクトップと、ノートPCの両方で試しても同じ状態だったので、PC側の障害では無さそうだ。しかも、ストリップフィルムを読み込ませると、「コマ数が不正です」のエラーが出る。kakaku.comの掲示板を見てみると、初期不良の予感が、、。

早速サポートセンタに電話をしてみると、USBケーブルを外し、フィルムマウント用のアダプタも外して起動して欲しいとのこと。それでもLEDが高速点滅する旨を告げると、「申し訳ないのですが、それはハードウェアの故障と思われますので、、」いきなりサービスセンター送りになった。送料は自腹。症状と、返送先、保証修理にならない場合は事前連絡、の3点を申し送り事項にして添付し、送付した。やれやれ。送料を考えても、まだ量販店で買うよりは安いが、光学機器はやっぱり初期不良交換に応じてくれる所の方が良いな。


数日後、Nikonのサービスセンタから、荷が届いた旨と、保証範囲で修理着手したとの封書が送られてくる。返送予定日も書いてある。こうした対応は好感が持てる。そして1週間、Nikonのでかい箱に緩衝材を多量に詰め込んで、修理品が到着。修理内容は、基盤とスキャンモジュールの交換、まあ、中身全取り替えだ。シリアルは同じだったので、代替品ではないようだ。

さて、USBケーブルを外した状態で、起動してみる。LEDはゆっくり点滅し、高速点滅しない。修理はちゃんとできたようだ。では Nikon Scanを起動してみる。早速スキャンしてみると、プレビューは良いのだが、本スキャンの画像がボロボロだ。縦に細かくオレンジ色の筋が入ってしまい、明らかに画像が崩れている。

暫く悩んだが、Nikonのサポートページに、SCSIアダプタとの相性でプレビューが崩れるとの症状が書かれているのを発見。僕が使っていたのは、Adaptec AHA-2940AUであり、プレビューは正常にできているが、それでも念のためにSCSIアダプタを抜いてみた。すると、本スキャンの問題は解消された。一応USBデバイスとして動作はしているようだが、中身には、何かSCSI時代のお作法が残っているのかもしれない。

で、さらにもう一点、問題が。VueScanの方が起動してくれない。どうも、あるDLLのロードで失敗している模様。webを検索していくと、Hewlett-PackardのTWAINドライバと協調するように作られているという記述があり、それならばと、HPのプリンタドライバを削除したら、VueScanも起動するようになった。これだと、デスクトップからプリンタが使えなくなってしまうので、なんとか同居できる方法を探さなくてはならないのだが、、。これはまだ未解決だ。

ここまでやって、どうにかスキャンできるようになった。スリップフィルムローダを使ったバッチスキャンはとても便利だし、DigalICE4も強力。色のバランスなども、LED光のお陰か、ほとんど調整無しで取り込める。設定を追い込まなくても、バランスのとれたスキャン結果を得ることができるのは助かる。スキャナも進歩してるんだな、という感じ。

詳しい使い勝手などは、もう少し使ってから改めて書いてみたい。

Contax T3修理代3万円、、。

Contax T3 のレンズバリアが壊れた。金属製の T2 にくらべて、プラスチック製の T3 のレンズバリアは、いかにも脆弱だが、懸念通り破損。

ヨドバシで修理依頼をした。まあ、バリア部分の交換ならそれほどの金額はかからないだろうと思ったのだが、、。(工賃だけで数千円だろうから、一応、3万円以内なら修理にしておいた)

で、返ってきてビックリ。


レンズユニットごとアッセンブリ交換されていて、部品代 2万円+工賃 7千円+消費税で 28,350円!なにそれ!!(デジカメ買えるぞ)

カメラ部門が廃止されて、メインテナンスも外注になっていた。下手に修理されるよりは、アッセンブリ交換の方がまだいいか、、。と自分を慰める。レンズユニットの部品代が2万円は、ある意味安いと言えば安いのかもしれない、、。
Contax ユーザーの皆さん、大事に使った方がいいですよ。

Carl Zeiss Biogon T* 28mm/F2.8(ZM)

Photo:2006. Japan, Zeiss Ikon, Carl Zeiss Biogon T* 2.8/28(ZM), Kodak 400TX

Photo:2006. Japan, Zeiss Ikon, Carl Zeiss Biogon T* 2.8/28(ZM), Kodak 400TX

Zeiss Ikon 標準ファインダーでサポートされる、最も広角のBiogon 28mm/F2.8。6群8枚のコンパクトなレンズ。

モノクロで撮ったときの、コントラストの描写は驚くほど鋭い。暈けは繊細、エッジの立ち方はハッとするような鋭さ。

反面、カラーポジ・ネガで撮ると、なんというか薄味の描写が、個人的には物足りなく感じる。少し遠くに写るような、そんな感じがする。

いずれにしても、とても個性のあるレンズ。zeiss ikon の肩に力の入らない操作感と、きりっとした描写のコントラストが面白い。自分が思ってもいなかったものを受け取れる、そういう飛躍があるという意味では、 MM の Planar 85/1.4 に並んで僕の好きなレンズだ。