9.11後の世界、ここは

Photo: Mar., 2001. Yoyogi, Tokyo, Japan, CONTAX T3 Carl Zeiss Sonnar T* 2.8/35, Kodak Ektachrome DYNA 400, Dimage Scan Elite(Digital ICE)

Photo: Mar., 2001. Yoyogi, Tokyo, Japan, CONTAX T3 Carl Zeiss Sonnar T* 2.8/35, Kodak Ektachrome DYNA 400, Dimage Scan Elite(Digital ICE)

9月 11日のテロから半年、ケーブルテレビのニュースチャンネルは、追悼式の模様をこぞって中継していた。テレビの中で、光のモニュメントが空に向かって伸 び、花束と、そして無数の星条旗が掲げられていた。亡くなった人たちへの哀悼と、アメリカは負けない、というメッセージが繰り返されていた。

僕は、その放送に強い違和感を覚えた。死者を悼む気持ちと、愛国心とがすりかえられている。個人的な感情が、故意に拡大され、誇張され、欺瞞に満ちたコンセンサスをつくっている。僕は、とてもいやなものを見た気分になった。


この時点で、アフガニスタンに対する空襲で亡くなった人の数は、アメリカの同時多発テロで亡くなった人の数を、とっくに超えていた。そして彼らは、 まだ殺し続けている。人を殺すことが、何かの問題解決になると考えているならば、そのメンタリティーは、テロリストのそれと変わらない。第一、今はテロリ ストと呼ばれているアフガニスタンのゲリラ達に、武器を買い与えたのは、当のアメリカではなかったのか。

2002年、輝かしい 21世紀への入り口は、未だどんよりと閉ざされたままだ。世紀末に世界が滅ぶことはなかったけれど、新しい世紀は、目もくらむ未来の世界ではなかった。すべては、延長であり、繰り返しであり、もしかしたら衰退なのかもしれなかった。


テレビから目を移すと、東京の空に雲が流れている。世界は、あまり変わりばえしないように見えた。ここは、ゆっくりと死んでいく場所なのか、あるいは、希望があるのだろうか?

Photo: Mar., 2001. Yoyogi, Tokyo, Japan, CONTAX T3 Carl Zeiss Sonnar T* 2.8/35, Kodak Ektachrome DYNA 400, Dimage Scan Elite(Digital ICE)

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