おやじ焼き、その正体。

Photo: "おやじ焼き"

Photo: “おやじ焼き” Contax i4R, Carl Zeiss Tessar T* F2.8/6.5.

「おやじ焼きって何だよ」という謎に、ついに答えが出るときがきた。

地元コーディネーターの協力を得て(「ん、ああ、おやじ焼きね。帰りに食べていきます?」)、その店内に侵入した。店のおばちゃんは、やたらにフレンドリー。というか、コーディネーターと、「どう最近」みたいな会話をしている。コーディネーターは常連なのだろうか、いや、大阪だけに初対面でもこれぐらいの会話はしてしまうかもしれない。


では、さっそくおやじ焼きを。

解説するとおやじ焼きは、たこ焼きの上にウズラの卵の目玉焼きが載ってる。そんな細かいもの作れないだろと思うのだが、実に、ちゃんと目玉焼きが載っている。んで、その様が「目玉のオヤジ」に似ているから、おやじ焼きだと!オヤジのためのつまみ焼でもなければ、オヤジのみじん切りが入っているわけでもない。しかしそのネーミングの駄洒落っぷりが、オヤジとも言える。そういう素敵なメニューであった。

味は、、大阪的な中身のトロリとしたたこ焼きに、卵味がまざって、相当こってりしている。これはウマイのではないか、と思う。4つぐらい食える。(4皿ではない)

紺碧

Photo: 2004. Miyazaki, Japan, Contax RX, Carl Zeiss Vario-Sonnar T* 35-135mm/F3.3-4.5(MM), Kodak EB-3

Photo: 2004. Miyazaki, Japan, Contax RX, Carl Zeiss Vario-Sonnar T* 35-135mm/F3.3-4.5(MM), Kodak EB-3

旅に出ると、いいなぁと思う一枚が撮れることがある。それって、その時の自分の気分とかが大事な気がする。

あまり打算的に撮ると、ろくなものにならなくて、ベタベタな言い方をするとあまり考えずに素直に撮った方がいい結果になる気がする。

(おもしろいことに、買ったばかりの慣れないカメラで機材に振り回されながら撮ると、意外とよく撮れる。上手く撮ろうと考えない、それが大事なんだろう)


起き抜けに、カメラを構えて適当に近くの海岸を撮った写真。今回の旅で僕が一番気に入った写真は、(まあ、ただの海岸線ではあるのだが)なんとなく湿った朝の気配を含んで、夏の雲が輝いていた。こんな写真とったかなぁ、というような、そんな思いで眺める。

どうやったら良い写真が撮れるの?ということをたまに聞かれるが、やっぱりそれは沢山シャッターを切ることなんじゃないか。で、意外とどんな風に撮ったかも覚えてないような、そんな何気ないタイミングの写真こそ、現像からあがってきたポジを見て、えらくビックリするいい一枚になっている。

自分がつくりだしたものを、ちょっと嬉しく思う。自分の気持ちを含んだものが、形としてできあがってくる。そういうのは、やっぱり良い。

楽しい楽しいディズニーランド、の向こう側

Photo: カリフォルニア、、なわけねーだろ 2004. Maihama, Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.

Photo: “カリフォルニア、、なわけねーだろ” 2004. Maihama, Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.

楽しい楽しいディズニーランド、の向こう側には茫洋とした海が広がっている。薄汚れた川砂を敷いた埃っぽい偽の大地、埋め立て地特有の直線的な海岸 線が続いている。赤黒い夕日を背に、無理矢理植樹されたパームツリーが揺れている。このスカスカ感、どこかサンノゼの裏通りに似ている。


なんで俺はこんな場所に、スーツ姿で立っているのか。ディスニーランドと東京湾の間に、いくつものホテルが建ち並ぶリゾートエリアがある。なんで、 こんな場所でプライベートショウをやるのか。海辺の高級リゾートホテルの午後、という野望は、ミッキー型の窓をしたバスが走り回る光景を目にした瞬間に崩れ落ちた。ここは、完全に奴らのテリトリーだ。ホテルのロビーでは、ガキが走り回り、芝生が気持ち良い庭ではヤンキー風のカップルが結婚式の下見をしてい る。なんてことだ、ここはリゾートなんかじゃない、ファミリー地獄だ。

俺は、ミッキーマウスが全面にあしらわれたモノレールに乗って(パスネットが使える)、ここにやって来た。乗りたかったからではない、乗らないと目的地に行けないからだ。よくよく言っておくが、俺はミッキーマウスやミッキーマウス的なものは大嫌いだ。虚ろな視線で見上げると、つり革もミッキー。やはりか。背広姿の男が、怪しくカメラを取り出して、ミッキーの形をしたつり革を撮っている時も、車掌に扮したテロ対策の警備員は邪魔をしなかった。むしろ、 見切れないようにどいてくれた。さすがディズニーランド。


それにしても、背広で来て本当に良かった。大の男二人が、いかにも観光然として私服で歩くには、このディズニーランドという場所は切実に厳しすぎる。展示会が終わり、各々が家路につく頃、ディズニーランドはお子様達の時間から、お子様趣味をひきずった大人達の時間に様変わりする。

帰路、高輝度LEDの星がまたたく、ロマンティックな夜のイクスピアリを当然のように素通りした我々は、あえて舞浜駅のNEWDAYS(駅コンビニ) でディズニー絵本のおいやげ(くまのプーさん)を購入し、家路についた。二度と、こんな面子で来ることが無いように祈りながら。


注:実はユーロディズニーにも行ったことがあったりする訳だが、、。