外国の記事一覧(全 202件)

食あたり予防に正露丸

Photo: "Local restaurant " 2011. Shanghai, Ricoh GR DIGITAL III.
Photo: “Local restaurant ” 2011. Shanghai, Ricoh GR DIGITAL III.

友人は、胃の調子が一気に悪くなったようで、ベッドの上でごろりとし始めた。

地溝油のせい、というわけでもないだろうが、上海に来てから体に良いことをした覚えもない。

彼は毎朝、食あたりの予防と称して正露丸を飲んでいる。そもそも正露丸が予防薬だった気がしないし、腹も痛くないのによくあんな臭いのものを飲めるな。


胃の調子が悪い時には水。

香港で彼が「怪しい」と言って、あれ程飲むのを避けていた、ワトソンズのミネラルウォーター。しかし、ここ上海では他にさっぱり馴染みのブランドは見当たらず、ワトソンズ印のミネラルウォーターだけが水分補給の頼みなのは皮肉な話。

なんといっても、これしか知らないのだ。

乗り物の速度

Photo: "River boat" 2012. Bangkok, Tahi, Ricoh GR DIGITAL III, GR LENS F1.9/28.
Photo: “River boat” 2012. Bangkok, Tahi, Ricoh GR DIGITAL III, GR LENS F1.9/28.

発展途上というか、そいう国に行けば行くほど、乗り物の速度はおかしいぐらい速くなる。

安全とか、人命とか、そういうもののないがしろ度が上がっていく気がする。

自分の国では絶対犯さないようなリスクに、ちょっと乗り物に乗ろうとしただけで踏み込んでしまう。


チャオプラヤ川を走るモーターボートのバスも、そういう意味ではおかしなぐらいの速度を出して、川面を突っ切って行く。これ、ひっくり返ったら確実に・間違いなく死ぬなと思う。


タイの人々がそんなにせっかちだとは思わないし、むしろのんびりしている感じだと思うのだが、この速度はいったいなんなんだろう。

お坊さんも、その鮮やかな袈裟を、川風になびかせている。

「時の流れ」

Connaught Place
Photo: “Connaught Place” 2013. New Delhi, India, Richo GR.

「時の流れ」

なんていう手垢のつきすぎた、陳腐なフレーズの、下衆な歌詞がよくあるが。

ここでは時は、さっぱり流れていない。

いや、流れているのかもしれないが、そのまま海に流れ落ちて、雨雲になって、ものすごい勢いの雨となってまた元来た場所に降り注ぐのだ。


インドでは毎日雨が降った。

倦むことなく、惰眠をむさぼる犬の上にも、物見遊山の僕の上にも。

雨が止むと、草木はびっくりするほど青みを深くして、息を吹き返した。都市は、みっともなく水浸しになり、コンクリの隙間からは赤茶けた粘土が顔をのぞかせた。

倦むことのない繰り返し。流れない。