朝 Web

Webは何でも知っていると勘違いしている、インターネット・ジャンキーの皆さん、こんにちは。羊ページです。


さて、羊ページの調査によると、インターネット利用に於いて、新たな習慣が生まれつつある。従来、インターネットは、深夜にやるものだった。それに、真っ向から挑むのが、今回とりあげる新習慣「朝Web」である。

朝起きて、テレビをつける、、前にまずマシンの電源を入れる。そんな人たちが増えている。インターネットでしか手に入らない、重要な情報(最新の日 記、専門的な最新ニュース、昨夜の NASDAQ の株価詳細、最新の羊ページ等)を朝のうちにチェックしたい。そんな欲求が、寝起きにマウスを操作するという、いかにも健康に悪そうな習慣を、徐々に一般 的なものにしているのだろう。
「朝 Web」は快適だ。利用者が比較的少ない朝は、どんな劇重サイトでもサクサク動く。あるいは、前日深夜に更新された日記サイトをまとめてチェックするにも 効率が良い。事実、最近羊ページへのアクセスは、朝7時頃に妙に増加する傾向にある。「朝 Web」という習慣は、かなり一般化しつつあるらしい。


しかし、この新たな習慣の台頭によって、思わぬトラブルも発生している。

起きてきたダンナが朝飯も食べないで、いきなりマシンの電源を入れはじめる。朝 Webに夢中で会社や学校に遅刻する。旅行に行くのにも、「朝Web」したさにノート PC を手放せなくなる。などなど、「朝 Web」は確実に一般化するとともに、その弊害も見せ始めた。


朝、公団住宅の台所。ノート PC をのぞきながら、朝食をとる夫。箸の先は、レタスを探して皿の上を彷徨ってはいるが、視線は Web に注がれている。

冷蔵庫からヨーグルトを食卓に運んできた妻が、その様子を見とがめ、いつものように怒鳴る。
「あなたっ、ご飯食べながら Web見るのやめてください!」
「ん、、あぁ、、」

いらだつ妻、上の空で返事をする夫。新しい、朝の風景。

注1:ちなみに「朝 Web」の台頭によって、「朝刊」が無くなるということは、当分無いだろう。起動時間 0.1秒(開く時間)、30インチのフラットディプレイ(広げた状態)、ページ更新速度数秒(めくる時間に依存)という高性能のWebブラウザ「朝刊」。 この高性能ぶりに、「朝Web」は太刀打ちできない。
注2:「インターネットする」という表現は、まあ、、いいじゃない。
注3:今回の[今日の一言]は、暫くしたら[コンピュータの一言]に移動します。

通信?ベンチャー

「自分はっ、大学時代はっ、、」

僕の横で、さっきから一人称「自分は」を繰り返している、ゴリラみたいな男を眺めていた。営業所の空調は切られていて、開けはなった窓から、初夏のなま暖かい風が吹き込んでいた。
「で、キミはどうなのかね?」

僕に質問が振られた。多分、この会社は、一人称に「自分」以外を使う人間を必要としていない。それは、今までのやり取りから、既に確信していた。
「はぁ、私は、、」

やたらめったら出した、就職活動のセミナー申し込みハガキ。僕は、ほとんどあらゆる業種に応募した。中でも、移動通信関連産業には、最も注目していた。折しも、携帯電話市場が、爆発的な成長を始めようとしていた時期であり、そこには際限ない右肩上がりの予感があった。

そして、てっきり通信業界かと思って参加した「その会社」のセミナーの資料には、意外な業務の実体が書かれていた。その会社、社名は通信関係のサー ビス業を匂わせているが、実はコピー機と携帯電話のディーラーだった。資料を読めば、会社の体質は一目瞭然。営業成績とそれに伴うインセンティブが全て。 つまりは金が全て、ということ。そんなの、願い下げだ。面接試験以降、僕はその会社に二度と呼ばれなかった。


しばらくして、新聞の一面に、しばしばその会社の名前が登場するようになった。間もなく、その会社は急激な株価の上昇によって、日本の新興企業の代 表格に祭り上げられていった。証券会社が「お勧めの銘柄」として紹介し、週刊誌には提灯記事が踊った。ネット関連株と言われていたが、実際はそうではな い。結局は、携帯電話を中心とした物販会社だった。しかし、その会社の株がブームになってしまうと、だれもそんなことは気にしなかった。

あの会社の業態、あの会社の戦略で、その株価は妥当なのか?そんな疑問にはっきりした回答はないまま、株価は上昇を続ける。僕は、その銘柄に全く関心が無かった。だって、コピー機と携帯電話のディーラーなのだ。それ以上でも、それ以下でもない。

一時期、20万円を超えた株価は、初の営業赤字決算を境に突然暴落する。連日ストップ安、売りが殺到しての比例配分、関連会社の相次ぐ倒産と、株主にとっては悪夢のような2ヶ月が過ぎた。今では株価 5,000円を大幅に割り込みながら、なおも下げ続けている。


安物の折り畳みテーブル、パイプチェア、冷房の切られた室内。にこやかで、無個性な面接官。とにかく金を集めてくること、それ以外は、最低限で十 分。僕が見たあの会社の印象は、そんな感じだった。人間を使い捨てにしそう、そんな気がした。そして数年後、ついに一つの幕切れ。

自虐系サイト

最近では、自虐系のサイトじゃないと読者には受けないらしい。羊ページみたいなスタンスは、あんまり受けないらしい。自虐系。下ネタ、内輪ネタ。泥酔した友達同士の会話か、あるいは深夜の長電話、そんな文章。うーん、楽しそうだな、確かに。

テレビも、ラジオも、雑誌も、Webも、メディアの世界では楽屋落ちが全盛。

ゴールデンウイーク中、久しぶりに長い時間ラジオを聞いた。どのDJも、「いやーー、世間は楽しいお休みですけど、私は仕事。なにやってんでしょう ねー」なんて調子で話しをつないでいる。もしレストランで、「いやー、お客様、今日はお休みですか?私なんかもう大変なんですよー、こうやって朝から、え んえんとお客様のお相手でして、、」なんて言われたら、間違いなくむかつく。しかし、メディアにおいては、こういうノリが許される。

僕自身、自虐系のサイトはかなり好き。ブックマークにもいくつか入っている。(というか、大半はその手のサイトだという気もする)しかし、自分でそ ういうものを書こう、という気にはならない。そういうものを書く才能自体、僕にはないけれど、もし、そういう路線で書いていたら、とっくの昔にこのページ は無くなっていただろう。

だいたい、その手のサイトは面白いけれど、長く続くことはほとんど無い。もって1年というところだろうか。でも、それは仕方のないことだと思う。自虐系、と言われるサイトの多くは、よそ行きでない自分を曝し、晴れ舞台ではない場所で、勝負している。

しかし、インターネットは所詮、実世界の上に成り立つ現実の世界。そこには、現実の人間がいて、社会がある。その現実の世界で、玄関を開けっ放しに して、住みつづけるなんてことは、やはり無理な相談なのだ。もし自虐という路線をとり続けるならば、もはや「芸人」として、客と相応の距離を測りながら やっていくしかない。そして、僕は「芸人」になるつもりは無く、従って自虐系でいくつもりも無い。だから、読者との距離は大事にしたい。

つまり、「羊ページ」はこれからも相変わらず、距離をおきまくったサイトでいきます。よろしくね。