海外に出たら、周りは全部泥棒だと思って、荷物から絶対目を離すな。と教わった気がする。
でも、道ばたにガッツリ抜け殻が置いてありますけど。見回しても持ち主居ないし。
現地の人から見ると、これは盗まれない類のものなのか?
ラスベガスのメイン通り、ラスベガス・ストリップ。休憩中なのは本体の方か、あるいは抜け殻の方か。
写真と紀行文
海外に出たら、周りは全部泥棒だと思って、荷物から絶対目を離すな。と教わった気がする。
でも、道ばたにガッツリ抜け殻が置いてありますけど。見回しても持ち主居ないし。
現地の人から見ると、これは盗まれない類のものなのか?
ラスベガスのメイン通り、ラスベガス・ストリップ。休憩中なのは本体の方か、あるいは抜け殻の方か。
かつて、ここに橋があった、という碑がある。
何年もその前を通っていて、今日初めて足を止めた。それは、今あるものの説明では無くて、かつてあったものの話だ。
誰かが、想いを持って作ったのだろう。しかし、それは覚えられること無く、ただ道ばたに存在している。
我々が日々、何かに自分の存在を刻もうとしていることと、そこに纏わり付く無力感。
「いらないな」と思う。
「今夜は蟹に行きましょう!」
という宣言に、誰も反対する者は居なかった。一生懸命頑張ったからね。
市街中心部から車で 15分、ゲイラン。所謂、シンガポールの公娼地域。食欲と性欲が隣り合ったような、猥雑な地域に蟹屋がある。以前行った、サービス最低味最高の店の本店だったりするわけだが、サービスはまだこっちの方がマシだ。
蟹、やっぱり結構高い。後ろに立つ店員のババアのプレッシャーに耐えながら、慎重にメニュー構成を吟味する。絶対に外せないチリソースの蟹と、海老の胡椒炒めが軸になる。問題は、蟹も海老も、グラム単価だという点だ。(時価では無いだけマシだが)
中華系のババアの言うなりに注文すると、間違いなく大変な事になるのは目に見えており、まくし立てられる言葉をゆっくり受け流しながら、前菜、海老、蟹、焼飯とゆっくり決めていく。決して焦ってはいけないし、余計なものも頼まない。ン?カエル?んまいの?オススメ?
一種類ぐらいは挑戦で入れてみたカエルのフライ、実は衣の絶妙な味付けと、臭みの無い上品な白身で、とても良かった。
赤線のど真ん中の店にもかかわらず、客層は、旧正月の食事に来ている家族・親戚連れ、そして職場の同僚。つまり、ここは美味しいのだろう。
急に、店内に爆竹の音が鳴り響き、向こうのテーブルの一座が席から立ち上がり、箸で紅い色の料理をかき混ぜはじめる。旧正月のなにかの儀式のようだ。(あとで調べると 60年代に「つくられた」お祝い料理だそうだ)爆竹はスピーカーから流れるサウンドエフェクトだったりするところが、いかにもシンガポール。
例のババアになんの料理か聞くと、「魚生」と呼ばれる生魚を使ったサラダのようなものだと言う。早速売り込み攻勢をかけてきたが、値段を聞くと、なんかご祝儀相場で 8,000円ぐらいする感じ。蟹ぐらい高い。しかも、この暑さで生かよ!という怖さがあって頼まなかった。
さて、どろっとしたチリソースをまとってやって来た蟹は、立派な殻に覆われて、期待を裏切らない美味しさ。ババアの高いオススメを無視して頼んだ、一番安いシンプル焼飯に、ソースと身をたっぷりかけると、犯罪的な美味しさになった。