パリの人たちは、親切じゃない。観光客にウンザリしているのか、黄色人種がキライなのか知らないが、親切じゃない。
エッフェル塔の袂まで来たとき、突然、友人が「腹が痛い」といいだした。既に、顔には脂汗が浮いている。
塔の係員に「トイレはどこだ」と聞くと「上だ」という。
上って、、、。
見上げたエッフェル塔は、そびえ立ち、トイレは果てしなく遠い。
いくらなんでも、どっかに従業員用かなんかがあるだろう、と思って交渉するが相手にされない。入場切符を買って、エッフェル塔に登れという。無茶だ。
どうにもならなそうだったので、意を決してトイレ探しを始めた。近所を通りかかった、トルコ人風の一団に(少なくとも、生粋のフランス人よりは、外国人労働者の方が親切だろうと思った)聞いてみた。
「オレノトモダチガ、ハライタダ。トイレハナイカ、トイレ!トイレ!」と必死に訴えたところ、何故か彼らは大受けし「パリの街では、夕方7時を過ぎたら、藪がトイレだぞ、ムッシュー。」と答えが返ってきた。(ムッシューはウソ)
サダムフセイン風の大男20人に囲まれた瞬間は怖かったが、ある意味で親切な人たちだった。
ちなみに、この後友人はエッフェル塔基部近くの茂みに、記念の品を埋設することになった。