スプートニクの恋人

少し長めの「今日の一言」を書き始めたら、なかなか出来上がらず、更新ができなかった。(まだ出来上がらないので、週末あたりには更新できると思う)


ホームページに感想を送ってくれた人のメールで、村上春樹の新作が出ていることを知った。

買おうか、買うまいか少し迷ったが、結局買った。

新作、「スプートニクの恋人」には、いつもの主人公「僕」がいた。「僕」は今度は学校の先生をやっているが、やはりプールで泳ぎ、料理をつくるのがうまい。

僕が初めて村上春樹の描く「僕」に出会ったのは、5年前。僕は、大学でくそ面白くない民族学の講義を聞き流しながら、「風の歌を聴け」を読んでいた。


ラッシュアワーの余韻が残る電車に乗って、いつもの曲を聴きながら、村上春樹を読む。

学生の時から変わったのは、電車の行き先ぐらいのものだ。

何も、変わらない。

羊をめぐる冒険

ファーストフードで、食べ残しのポテトと、包み紙と、紙コップ、ストロー、使い終わったナプキン、を捨てた。

ファーストフードで、食べ残しとゴミを、捨てる。

実に単純なことだ。


村上春樹の、「羊をめぐる冒険」の話をしていた。

小説の書き出しは、こんな風だ。

新聞で偶然彼女の死を知った友人が電話で僕にそれを教えてくれた。(注1)

余計な物は、いっさい捨てた文章。


僕は、捨てるのが極端に下手だ。

カラスには、光るものを見境無く巣にため込む習性があるそうだ。

僕は、いろんなものを抱え、捨てられない。

抱えているものが、自分から何かを奪い続けるとしても、だ。

羊をめぐる冒険(上) page 9 line 1 , 1985, 村上春樹, 講談社文庫.