アメ横 – 自動さきイカ機

Photo: もう何がなんだか 2003. Tokyo, Japan, Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.

Photo: “もう何がなんだか” 2003. Tokyo, Japan, Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.

恐いモノ見たさで歳末のアメ横に行ってみた。恐かった。

筋子にたどり着くのは5秒であきらめた。つーか、これじゃいい鴨だ。店頭で回っている「自動さきイカ機」に激しく興味をそそられたが、ここで買ってしまっては思うつぼなので我慢する。

何も買わないで、喧噪を見るだけならけっこう面白い。両手一杯の荷物を抱えて、人混みでスタックしている人を見るに、何か買おうとすると、大変なことになりそうだ。「なんでも千円?」のかけ声におばちゃんが群がっている。ちょっと外れた路地では、どさくさに紛れてバナナとかも売ってる。しかも、全然 安くない。


どこか街を見渡せるところはないか考えて、思い当たるビルへ。階段を登ると、べーカムを準備するテレビのスタッフに行き当たった。結局、誰も考える ことは同じか、、。確かに、ここだと「それっぽい画」が撮れるにちがいない。そして、お茶の間に「それっぽい画」が、今年も届くのだ。もはやそれは様式美。

アメ横の人混みを満喫して、電車に乗って、ちょっとだけ鮨の食べ納めをして、今日はおしまい。


注1:それにしても、こういう人の顔が入ってしまう写真は微妙で、、。背景としての雑踏ということで、ブックマークサイズの写真にしました。
注2:ここまで小さくしても、U10 と比べると次元の違う絵を出す Tvs Digital は腐っても Contax ということか。

何、葉っぱむしってるの!?

Photo: 夕刻の紅葉 2003. Sagamiko, Japan, Contax RX, Carl Zeiss Planar T* 1.4/85(MM), Kodak EBX.

Photo: "夕刻の紅葉" 2003. Sagamiko, Japan, Contax RX, Carl Zeiss Planar T* 1.4/85(MM), Kodak EBX.

そうそう、もとは紅葉を見にいこうというのが最初だったのだ。焼き肉ですっかり忘れていたが。

リフトでピクニックランドの山頂に登ると、相模湖を一望できる。

ここは、一面の紅葉、というわけでもないけれど、けっこう椛とかがあって、綺麗だ。ひっそりとした山奥の木の葉の息吹、みたいなものはないけれど、お手軽に綺麗。空気が、とても美味しい。

遠くから見ると一面の赤に染まった椛も、近づいてファインダーから覗くと、結構枯れ葉が絡んだりしている。それを手で除くの写真としてはありなのか、などと思案しつつも、枯れ葉を除いてみる。
「何、葉っぱむしってるの!?」

いや、枯れ葉だから、、。紅葉をむしる人って、桜の枝を折って持って帰る人みたいでイヤだ。


日差しはもう弱くなってきていて、少し寒い。そういえば、日が短いなぁと、この時初めて思った。


注:本気で撮ろうとすると、案外綺麗な状態の紅葉って無いものです。ちなみに、この写真は、枯れ葉をどけたりしないで撮ったものです。

昭和ブームとか言われると恥ずかしいのだが

Photo: 湖畔のボート乗り場 2003. Sagamiko, Japan, Contax RX, Carl Zeiss Distagon T* 25mm/F2.8(MM), Kodak EBX.

Photo: "湖畔のボート乗り場" 2003. Sagamiko, Japan, Contax RX, Carl Zeiss Distagon T* 25mm/F2.8(MM), Kodak EBX.

なんか、最近古いものが凄く良く感じる。

別に、昭和がブームだからとか、そういうのではなくて、もの凄い変化をくぐり抜けて、それでも実直に(あるいはたまたま)生き残ってきたものに魅力 を感じるようになった。そういうものを見たり、触れたりすると、いいなぁと思う。要領よく見た目を繕っただけの、浅薄なものがなんとなく好きになれないの は前からだけれど、自分がどんなものに馴染めるのか、という方向性が自分で分かってきた感じ。


湖畔の古めかしいボート乗り場は、多分、僕が生まれたのと同じかもっと古くからここにある。はげチョロになった板壁の、飛行場の管制塔のような受付 は、モダンなデザイン。窓一面にいろんな張り紙がしてあって、今でも使っているのかどうか分からないけれど、カッコイイ。こういう抜けたカタチを、最近見 かけることはない。この日最後の客が使ったとおぼしきボートを繋いで、乗り場の主人がのろのろと上がってくる。

乗るのか?とちょっと、淡い期待をされるのは困るから、知らないフリをして、通り過ぎる。

水辺と板のコントラストが、ちょっとだけ、グラン・ブルーに出てきた、海辺のレストランの様に思える。ジャン・レノが、パスタを喰っていたレストラン。まあ、全然違うんだけどね。