サイパンに行くべし

Photo: 1998. Saipan, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

Photo: 1998. Saipan, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

とにかく、何にも考えないで、南国の日差しに照らされながら、水にでも浮いていたい。そう思って、旅行代理店の担当者に、「すいません、水と、太陽があって、あったかいところに行きたいんですけど」と言った。すると、「サイパンに行くべし」との回答。

サイパン島。

太陽が海に沈む時間。空気がよいせいか、あるいは、赤道に近いせいか、いわゆる「夕焼け」という色にはならない。空が飴色に色づくと、すぐに夕闇が押し寄せてくる。

風が少し冷たくなるこの時間、浜辺の人影は極端に減る。嬌声が途絶え、波の音だけが聞こえる、静かな砂浜。しばらくすると、海沿いのホテルの庭でディナーショーが始まってしまい、うるさくなるのだが。

丸一日、暇

Photo: 1998. New Orleans, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

Photo: 1998. New Orleans, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

丸一日、暇が出来てしまった。ここには知り合いもいないから、一人で何をしよう?

そういう訳で、ミシシッピー川蒸気船でクルーズすることにした。

日本の川下りならば、すぐに終わってしまうのだが、ここの河下りは本当に長い。「いい加減おろしてくれー」と叫びたくなるまで、乗っていることがで きる。なんと、丸々2時間、うんざりだ。最初は、ミシシッピーの河辺を眺めているのも楽しいのだが、しまいには、あまりに単調な風景に考えることさえおっ くうになってくる。

蒸気船クルーズには2種類のチケットがある。「飯付き」と「飯無し」。飯?

いくらクレオール料理で名高いニューオリンズでも、船の飯では、いったいどんな怪物体が出てくるか知れない。僕は「飯無し」のチケットを買った。出 航後間もなく、「飯が出来たぜぇー」というようなアナウンスが流れると、船室の方からなんとも恐ろしげな臭いがしてきた。牛の脂身のケチャップ煮込み、 M&Mチョコレート混ぜ、のような雰囲気。アナウンスによれば、デザートは7色のアイスクリーム山盛りらしい。飯無しで良かった。

なにせ一人なので、やることが無い。飯も無い。万が一に備えて(何に?)、乗船前にコーラをペットボトルで買っておいて良かった。(ペットボトルよ り小さいコーラは売られていなかった)コーラを飲んで、濁った流れを見つめ、周りのガイジン(ここでは僕がガイジンだが)のおしゃべりに耳を傾ける。 ニューオリンズに、日本人はほとんどいない。東洋系では、韓国人が少しいる程度。ここに一人でいると、本当に異国情緒を味わえる。

路面電車

Photo: 1998. New Orleans, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

Photo: 1998. New Orleans, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

川縁を走る路面電車。どうやって乗るのか、どこまで行くのか、よく分からなかったので(出張で来たからガイドブックとかを持っていなかった)、眺めるだけ。ど派手なデザインの電車は「運河通り駅」に停車中だ。もし、再びニューオリンズに行くことがあったら、絶対乗る。

この電車に乗っているのは、みんな観光客。どうせアメリカで路面電車に乗るなら、サンフランシスコの路面電車のほうが有名でいいよね。

少し写真の色をいじって、おもちゃっぽくしてみた。