ケイジャン・クイーン

Photo: 1998. New Orleans, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

Photo: 1998. New Orleans, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

ミシシッピーと言えば、汽船でしょ。というイメージは、少なくとも「観光」という分野では間違っていない。

観光客の期待にこたえるために、今日もニューオリンズでは汽船が運航されている。ディズニーランドのマークトゥエイン号を、思い切り巨大にしたイメージ通りの汽船も、もちろんある。本当は、その写真を載せるべきなのだが、でかさに圧倒されて撮り忘れてしまった。

代わりといってはなんだが、もっと小ぶりの、手ごろな汽船をご紹介する。ケイジャン・クイーンという端正な名前の彼女は、眩しいホワイトに上品なグ リーンのカラーリング。そういえば、ニューオリンズのマクドナルドは、赤地に黄色ではなくて、緑地に黄色のロゴだった。ニューオリンズには、緑色がしっく りくるのかもしれない。

さるすべり

Photo: 1998. New Orleans, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

Photo: 1998. New Orleans, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

市内の至る所では、今、さるすべりが満開。ミシシッピーのリバーサイドウォークにも、さるすべり。ニューオリンズは、緑と水の多い街だ。

7月、この時期は観光都市としてのニューオリンズが、最も輝く季節だという。ジャズが絶え間なく流れるバーボン横丁には、毎晩、全米各地から観光客 が訪れる。僕もホテルの廊下やエレベーターで、楽しそうな家族連れとしょっちゅうすれ違った。目を丸くして僕を見ている子供、日本人見たこと無いの?珍しい?

それにしても、南部のこの暖かい気候は、みんなの気分を寛容にしてくれる。もっと言ってしまうと、年がら年中、酔っぱらって気分がいいなぁー、とい う感じ。それでかどうかは知らないが、ニューオリンズは、全米で最もアルコールとタバコの消費量が多い街。そして、路上でアルコールを飲んでも良い、アメ リカで唯一の街。

リバーサイドウォーク

Photo: 1998. New Orleans, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

Photo: 1998. New Orleans, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38

ミシシッピーの護岸には、リバーサイドウォークと呼ばれる遊歩道が続いている。そのリバーサイドウォークから、ミシシッピーの朝日を望む。バカみたいに広い空に、間抜けな雲が浮いている。

目の前には、湖みたいに広いミシシッピー河が広がり、遙か向こうに対岸が見える。巨大な艀が、川を下ってゆく。ここは、南部なのだ。

ニューオリンズを気持ちよく歩きたいならば、絶対に朝をお勧めする。7時前ならば、まだ太陽の光は肌を刺すほど強くなく、空気もひんやりして、この上なく気分がいいはずだ。でも、サングラスだけは忘れないで持っていこう。

川縁の道をジョギングする人たちを眺めるのもいいし(熊みたいな兄ちゃんや、娘ちゃんが、もりもりジョギングするのを眺めることができる)、鳩を追いかけてもいい。