震災の後

震災の後、このページを書くのがすごくしんどくなった時期があった。2011年はなんとか書いていたが、2012年・2013年ほとんど更新していない。

それでも、手元の Day One には短く書いて、そのまま載せることもできずに眠っているエントリーが幾つもあった。別に、面白くも無いし、短い、走り書きのようなものだ。

Blog Archiveの欄の月の空白を眺めながら、それはそれで、良いと思って居たのだけれど、その間の空白を埋めたくなってきた。面白く無くても、内容がなくても、それでいいじゃないかと。

Day One に埋もれたエントリーを掘り出して、読めるぐらいには加筆して、書いた当時の日付でアップする作業を少しづつしている。その期間も写真は撮っていたし、幸い、Day One は日付で記録をしてくれる。

そうやって、少しふり返っている。全ては自分のためだ。

サワガニ氏

Mr. small river crab.
Photo: “Mr. small river crab.” 2014. Tokyo, Japan, Apple iPhone 5S.

「ぷくぷくぷく」

「サワガニさんですね、この石のあたりに住んでるんですか」

「ここで生まれたんだよ、ずっとここに居るよ」

「どうですか、この辺は」

「いいよ。いつだって涼しいし、お前らの言うカニミソもヒンヤリして良い気分なんだ。」

「苔も水も綺麗で、暮らしやすそうですね」

「でもな、足許には気をつけろよ、足を滑らせた人間に、仲間が踏まれるんだよ」

「そういえば、さっき潰されたカニを見た気が」

「だろ、、くれぐれも足許に気をつけてな。。」

意識が高すぎる。

Toranomon
Photo: “Toranomon” 2014. Tokyo, Japan, Apple iPhone 5S.

虎ノ門ヒルズは、虎ノ門駅から歩いてずいぶん遠かったし、狙って作りました感の凄さに、ただただ感じ入るばかりだ。仕事でなければ絶対、近寄らないな。

でも、トラえもんは見ないといけない。

仕事が片づいて、お昼はここで食べていきましょうかという事になる。ちょうど、トラえもんを発見して、その近所の店に入る。メニューはどれも意識高めで、食べ終わった瞬間に腹が減りそうなものばかり。でも、どうせなら一番意識が高そうな、野菜たっぷりカレーにしてみる。


見た目の意識の高さ感、半端ない。というか、見た目を楽しまずに、このカレーにこの値段をどうして出せるだろうか。なんでライムが乗っかっているのか。なぜ鰹節が付いてくるのか。意識が高すぎて、僕には理解できなかった。ただ、ある意味、見た目より美味しかった。

ソファにゆったり座って、鷹揚に遠くからトラえもんを眺めていると、それはそれはたいした人気で、観光客が引きも切らない。専属の警備員が付いていて、尻尾のスイッチを試したりする不届き者が出ないように、見張っている。開館時間はずっと人を付けているのだろうか。それとも、時間が来たらトラえもんは帰ってしまうのだろうか。


この店は、調べてみれば above GRILL & BAR というらしく、店名からしてそもそも意識が高かった、恐れ入った。そういえば、店の名前を調べていて知ったのだが、トラえもんはトラえもんではなくて、トラのもんという名前だった。

みんな、トラえもんって言っていたが。