ちょっとした陸の孤島みたいな所に暫く通っていた。昼ご飯を食べようと思っても、駅前に、マックとモスと、居酒屋チェーンと、ラーメン屋しかないような、そういうところ。ところが、何故か「オーガニックイタリアンレストラン」を見つけた。喫茶店を居抜きでレストランにしたと思われる雑然とした店内と、やたらに品数の多いメニューをみて「やばいかも」と思う。メニューに挟み込まれた、オーガニック食材に関する説教臭いタウン誌の切り抜きを目にすると、ちょっとうんざりする。夫婦でやっている店なのだが、厨房を仕切っているのはもの凄く不機嫌な平野レミみたいな奥さん。アニマル浜口みたいなオヤジさんは、奥さんに叱咤されながらホール係だ。
カルボナーラを思わず頼んでしまって、どんなモノが出てくるのか?と思っていたら、存外まっとうなものが出てきた。場所を考えるとちょっと高い値段を取っているのだが、良い材料を使っているみたいで、とても力のある味がする。卵がちゃんとしているカルボナーラって、こういう口当たりなのか。
そんな話を店主としながら、いつものバーで飲んでいた。ちょっと甘い酒が飲みたくなったので、テキーラを頼むと。
「あ、だったらオーガニックテキーラがありますよ」
なんだそれ。メキシコ製品でオーガニックとかありえるのか(そういう言い方って失礼?)
出てきた酒は、テキーラとはまったく別の味がした。
Production I.G の IPO
Production I.G がIPOするらしい。
I.G 作品の中で一番好きなのがパトレイバー2だ。脚本の密度、絵づくり、リアリティー、どれをとっても一番良い。良くできた作品に漂う隙の無さ。第一次湾岸戦争直後のタイミングで発表された作品だが、そこに漂っていた漠然とした未来への不安感は、今、テロへの不安につけいって様々な思惑が蠢くこの時代に、もう一度新しい。
フィクションに於けるリアリティー。それは虚構の世界に築かれた日常に宿る。
映画の中盤、首都が事実上の戒厳下に置かれる。首都高を走る陸自の治安出動部隊。トレーラーに乗せられた 90式のハッチから呆然と夜のオフィス街を眺める戦車兵と、それを窓に張り付いて見つめる会社員。お互いが、お互いの新しい役回りに慣れることができない瞬間を、このアニメーションは切り取っている。
未だ見ぬ光景への既視感のような、そんな危ういバランスを創り出すのは、監督 押井守の、まさしく天賦の才のなせる技か。
でも、最近の作品はちょっと緊迫感が無いような。うむむ。
それって
「どうして薄皮の肉まんがないのかな」
ひよこ並みに薄いってことか?
「そうそう、凄い薄いの。見たことないだろ、誰も作ってないだろ」
うーん
「これは絶対売れるね」
それって、餃子って言わね?