沢蟹

Photo: 沢蟹 2008. Tokyo, Ricoh GR DIGITAL, GR LENS F2.4/28.
Photo: "沢蟹" 2008. Tokyo, Ricoh GR DIGITAL, GR LENS F2.4/28.

わざわざ沢蟹を飼う人もあまり居ないとは思うが、僕は小さい頃、沢蟹を飼っていた。

家族で海に行った帰り、バケツに入れて連れて帰ってきた一匹の沢蟹。小さな沢蟹は、石と水を入れた洗面器の中で、だいぶながいこと生きた。

何を食べるのかよく分からなかったので、魚屋でアサリを幾つかビニール袋に入れてもらい、それを餌に与えた。両方の鋏を器用に使って殻をこじ開けて 食べた。表情は無いけれど、なんとなく喜んで食べているように見えた。それから、買い物について行くたびに、アサリを分けて貰って、食べさせた。

小さな洗面器から逃げるわけでもなく、薄暗い玄関の片隅で、ブクブク泡を吹いて、まあ可愛かったのだ。


小料理屋の軒先に、ガラスの器に入れられて沢蟹が居た。「新鮮さ」のアピールなんだろうか。そういえば、この間、生きた沢蟹が量り売りで食材としてスーパーで売られていたっけ。(なかなか凄い光景だった)

飼っていたものは食べられないと言うけれど、僕は別に沢蟹の唐揚げが食べられないわけではない。でも、ちょっと、僕にはこの店は無理だな。

デジタル一眼 α900

年末、楽天でポイント10倍をやるのではないか、という僕の予想は的中した。しょぼく洗剤を買ったりしながら、プレミア会員枠を維持してきたかいがあった。楽天カードと楽天年末セールと、楽天ポンカンの合わせ技でポイント15倍超えとなり、kakaku.com最安よりも実質安くなる。
そして、意を決してα900を注文してみた。合計金額はけっこうな数字で、注文ボタンを前に数分凍り付いた。それにしてもデジタル一眼を買う日が来るとは、しかもミノルタAマウントか。
この一年、フィルム価格と現像料金の高騰で、銀塩はどんどん辛くなってきたのは確かだ。が、それ以上にデジタル一眼でようやくフルサイズセンサが手の届く値段になってきたことが大きい。今、趣味の機材としての範囲で買えるデジタル一眼としては、Canon D5 mk II, Nikon D700, Sony α900の3機種があるわけだが、僕にとっては Carl Zeiss Planar 85mmが純正で使えることが最優先であって、そうなるともうα900一択となる。
正直、Nikon D3のジウジアーロデザインと、シャッター音には惹かれるものがあったけれど、ボディーで撮るわけでもないし。(趣味で買うには高すぎる)また、ファインダーの明るさと、デジカメのコンテキストに即した操作系の明快さ(僕は元々はNikonユーザだが)は、αの方が現代的であり、優秀だと感じだことも確かだ。ファインダーがよいので、ライブビューは無い、というのも面白い。
さて、α900はこの状況の中でも結構売れているようで、ショップの方からは在庫切れなのでメーカーの窓口が開くまで納期は待って欲しいと言われた。年末、逡巡の末オーダーした人も多かったのだろう。Planar 85mmの方は発売から時間も経っているせいか、普通に在庫はあって、T*コーティングとはいえ、やみくもに高価なMCプロテクタと一緒に買っておいた。CFカードは無難にLexarの8GB x300。松がとれる頃には届くだろうか。
ま、結局、年末、αを借りてバシバシとってみて、結構よかった。それで買ってしまったというのはあるが、、。

zeiss マニアか?

Photo: 春景5 2008. Tokyo, Japan, Ricoh GR DIGITAL, GR LENS F2.4/28
Photo: "春景5" 2008. Tokyo, Japan, Ricoh GR DIGITAL, GR LENS F2.4/28

昔から日本人のイメージは、首から一眼レフを下げて眼鏡をかけて、というものだが、デジカメ時代に入って日本人のカメラ好きには一層拍車がかかったようだ。

桜満開の千鳥ヶ淵は、世界のあらゆるカメラが集合していた。携帯電話(大多数派)、コンパクトデジタル(多数派)、一眼デジタル(かなり居る)、フィルムコンパクト、一眼レフ、二眼レフ、ステレオ、中判、ピンホール。


さっきまで側らで超大型機材で撮影していた、明らかに本職の撮影チームが大判カメラを仕舞って撤収作業。その側らで、僕も zeissikonと、RX をケースにしまい込む。いや、それにしてもみんな持ってるカメラ凄いですよね、なんていうスタッフの話し声が聞こえてくる。

日本ぐらい、万人が道具に凝る国も珍しいのではないかと思う。それにしても、今年は殆どの人がデジタルカメラを使っていた。僕のフィルムを巻き上げる音は、その場所で少し異質に響いたほどだ。

次の撮影のために zeissikon に換えのフィルムを入れていると、アシスタントの人が僕の手元を暫く凝視していた。zeiss マニアか?