2021年の記事一覧(全 16件)

特に面白い所は無い、業務用デバイス AfterShokz OpenComm

Photo: “Highway light.”
Photo: “Highway light.” 2016. Okinawa, Japan, Apple iPhone 6S.

去年、AfterShokz AEROPEXの事を書いて、今でもずいぶんアクセスがあるようだ。そして、今はテレカン用に作られたAfterShokz OpenCommも併せて使っているので、その感想も書いておきたい。(外出にはAfterShokz AEROPEXを使い続けている。後ろから来る危ない自転車に、何度か気付くことができた。実用的な製品だ。)

製品自体は、クラウドファンディングで募集がかかったタイミングで申し込んだので、9ヶ月ぐらい(クラウドファンディングなので、正確な配送タイミングが今となっては分からないのだが)使っていると思う。買った理由は単純で、AEROPEXで骨伝導が長時間のテレカンに向いているのがはっきり分かった事と、やはりマイクにブームが付いて居た方が、会話の音質的に安心感が有るからだ。

9ヶ月、在宅勤務で使っていて、一言で言えばとても実用的。面白い所は何も無く、仕事に使うのに過不足の無い、経費で落としたくなるような、そういう製品だ。


音質は、AEROPEXとの違いは感じない。マイクブームが有ることで、左右の重量バランスが異なるが、それは気にならない。デザインを犠牲にしてボタンが大きいのは業務用っぽいが、電源のオンオフはずっとやりやすい。ただ、装着時には自分の目には見えないボタン類を何故オレンジ色にしたのか?というUI上の疑問は感じる。(今の製品写真を見ると、ボタンも黒色になっているので、後のロットでは変更されたのかもしれない)ヘッドセットとしては、ミニマルなデザインなので、カメラONの時に、耳うどんや、ゲーミングヘッドセットで登場するよりも、プロフェッショナルに見えるかも知れない。(多分、自己満足だ)

特徴的なブーム付きのマイク。鼻息がかからない程度のブームのサイズで、頬の横ぐらいに来る。マイク自体の指向性が結構強いのか、あるいは信号処理としてのノイズキャンセルが良く効いているのか、外の騒音はかなり拾いにくい印象。話しながら、お茶を入れたりしても相手には分からないみたいだ。自分の声がどう届いているのかは、正直分からないが、音質的なクレームを言われたのは1度だけ(結局相手のPCがおかしかった)。声を張らなくても確実に届くのは、特に長時間のテレカンではとても楽ができる。


自分の場合、英語でテレカンというのは、やはり聞き取りもそうだし、アクセントを持った発音でどこまで相手に通じるかという難しさが有るわけだが、AfterShokz OpenCommで今のところちゃんと切り抜けられている。言語なんか関係無いだろ、と思うかも知れないが、母国語と違って脳が補ってくれる情報量が圧倒的に少ないのだから、やっぱり不安はある。実際には、米国も、インドも大丈夫。多分、言語によって周波数の頻出帯域とかは違うんだろうと思うが、考えてみれば元がアメリカの設計なのだから、テストはまず英語でやっているわけだ。英語でのテレカンを生きて切り抜けられる製品なら、正直この倍の値段でも喜んで出すが、今のところ、AfterShokz OpenCommは問題無い。

充電が早いのも特徴になっているが、バッテリメンテナンスはちゃんとやってないので、実際どれぐらい持つのかはちょっと分からない。公称16時間となっているが、一日の半ばで切れたことはあるし、では朝の時点でフル充電だったのかと言われると自信は無い。使わないときに常に充電しておく、というのもバッテリに悪そうなので、午後が長そうなときは昼にちゃんと充電をかけておく、位の運用にしている。

AfterShokz AEROPEXの時に書いた、ペアリングがクソ、という話は、もう業務用のPCにしか繋がないという運用にしたので、改善されているのかどうかは分からない。なお、音量ボタンは期待通りに動作したためしがなく、+か-を押すと「バッテリーは充電されています」という何の価値も無い情報を喋るだけだ。主にこれを使うのは、Teams上であって、Teamsのデバイスコントロールには、これまたクセがあるので、一概にこの製品のせいだとも言えないが、このあたりは相変わらずの完成度なのかも知れない。そして例によって、ファームウェアアップデートができそうな気配は無い。


まとめると、圧倒的に疲れない骨伝導のメリットはそのまま、マイクの性能は高く、バッテリーはかなり持つ。エキサイティングな要素は何も無い、(音量ボタン以外は)きちんと動く、仕事で愛用するに値する。業務用途にぴったりだ。

あ、それから毎度頑丈すぎてリサイクルに出すために潰すのが困難な紙箱、は正直いい加減にして欲しいが、アメリカの輸送環境を考えるとこれ程の強度が必要という事だろうか?(そんなことはないだろ)

カタツムリファンの復活

Photo: “A snail fan.”
Photo: “A snail fan.” 2021. Tokyo, Japan, Apple iPhone XS max.

引越の際に、処分に迷ったものを段ボールに放り込んでおいた。荷物も片付いて、いよいよ、その「迷ったモノ達」に手を付ける段階になった。


取り出したのは、カタツムリのような形をしたファン。冷蔵庫の上に置いてあったので、油分を含んだ埃を被っている。これは、今はもう居ない、あの人にもらったものだ。

「いやぁ、使わないなら捨てちゃって良いよ。」

唐突にこのカタツムリを貰って、困惑した(僕は困惑という感情については顔に出る方だ。)表情を見て取ったのだろう。
「いやぁ、使いますよ。」とは言ったものの、何に使えば良いのかサッパリ分からなかった。自分が買った良いものを、気前よくシェアしてくれる、そんな人だったが、そう言えばファン付きのベッドシートなど、ファン系は好きだったのかも知れない。


僕が唯一、このファンを実用的に使ったのは、レンジ兼用のオーブンが過熱して、次の作業ができなかったときに、中を冷やした、、ぐらいのものだった。だから、それ以来、台所用品の一種として、冷蔵庫の上に鎮座する事になった。捨ててしまっても、別にかまわないのだ。10年も使わなかったのだし、捨てちゃって良いよ、と贈り主からも言われたのだし。

でも、まぁ、そういう訳にもいかないか。とはいえ、ルーバーの隙間にまで油分と埃が入り込んだファンをどう掃除するか。最近見ているYouTubeのチャンネルで、ジャンク品を鮮やかなハンダ付けで直していくオッサン(お兄さん、と自称している)のやり方によれば、「全ばらし」してプラの部分を「中性洗剤で洗」えば良いのだ。


僕に電子工作とかそういったものの才能は無いが、YouTubeを見ているので、なんとなくできる気分になっていた。外装のネジは2カ所、オモテから見える爪が1箇所。開けるのはそんなに難しくなかった。中身は、、ACのモーターだし、それがスイッチとレギュレータ?かなにかを通して繋がっているだけの単純なもの。これなら、全ばらししてもきっと組み立てられるだろう。

現状を写真にとって、組み付けの部品を全部取って、プラ部分を泡泡にして洗い、残暑の日光で乾かす。使っていなかっただけあって、中の部品は綺麗なものだ。外装が乾いて、部品を組み付け直し(結構、部品はしっかりしていたので、割と高いんじゃ無いか、この商品という感想を持った)、一応モーターが回るかどうかテストしてから、外ぶたの爪をはめ込む。

完成。蓋をする前に通電テストはしているから、もちろん動く。中身はシロッコファンだったりするので、やっぱり割と高いんじゃないか。さて、だいたい新品な感じに生まれ変わったこれを、何に使おうか。


ひっくり返して製品シールを見ると、「デスクファン」と書いてある。そう、これは机で使う、扇風機?として作られたようだ。なるほど、しかし、これを貰った当時の僕は家で「デスク」を使うという事はほぼ無かった。

しかし、今は「デスク」があって、絶妙にエアコンの空気の流れから外れていたりする。実に、実用的に、使えるんじゃ無いか。そんな気が、する。2007年から13年越しで、新品に組み上がったカタツムリファンは、デスクファンとしてデスクに設置されることになった。

CDプレーヤーを直したが

Photo: “Repaired CD player.”
Photo: “Repaired CD player.” 2021. Tokyo, Japan, Apple iPhone XS max.

調子の悪いままだったCDプレーヤーを直してみる。いろいろなものを立て直していくのだ。

多分、トレイの駆動部とピックアップ部分がおかしい。トレイはベルト交換が必要かと思ったが、そもそもベルト駆動ではない。いろいろやってみたら、プラスチックのかみ合わせが外れていただけだった。次に、ピックアップの換えが売られていないか検索していたら、調整の仕方が載ったページを見つけた。ダメもとで調整したら、ちゃんとTOCを読み込むようになった。(AriExpressでは、もちろん部品が売られていた)


再び動くようになったCDプレーヤーに、ヘッドフォンを付けて聴いてみる。なるほど。次に、Bluetooth接続のSHUREでApple Musicから同じ曲を聴いてみる。こっちの方が、圧倒的に音質が良い。有線で繋いでいる据え置き機の負け。諸行無常だ。

mp3が広まった頃から、しょせんは圧縮音楽とか言われてたけど、気がついたらApple Musicは力技でFLACのロスレスになってる。Bluetooth接続ではAACに落ちるけど、D/Aコンバータの技術もどんどん進歩している。


中学の時から聴いてきたRed Rainは、ロスレスになってる上にApple独自のリマスターがかかって、聴いたことない曲みたいになってる。テクノロジーは恐ろしい。テレビとアンプを買い換えたついでにDLNAのサーバーを立てたれど、別にもうサブスクリプションサービスで良いんじゃ無いか、みたいな気に、既になっている。