光るチレ

Photo: 光るチレ 2003. Tokyo, Japan, Sony Cyber-shot U10, 5mm(33mm)/F2.8, VGA.

Photo: "光るチレ" 2003. Tokyo, Japan, Sony Cyber-shot U10, 5mm(33mm)/F2.8, VGA.

メキシコ生活が長かった友達を、その「なんちゃってメキシコ風」のバーに連れて行くのは少々気が引けたが、まあ、ネタとして面白いのではないか、ということでいってみた。

このあたりの街は、学生が多くて落ち着かないが、この店はちょっと大人でないと来ないみたいだ。漆喰でメキシコ風につくられた店内には、茅葺の屋根 や、それっぽいサボテンがあしらわれ、なんとなく適当につくられていて居心地がいい。チレの形をした電飾がクリスマスでもないのに、チカチカ光る。


小学生時代の大半をメキシコで過ごした友人と、日本国内の学校を転々とした僕。二人とも昔馴染みの友達、というのはあまり居ない。だから、たまたま出会って 6年になろうとする僕達の友情は、とても大切だと思っている。

彼と二人で飲むのは、ほんとうに久しぶりで、話すべきことは沢山あった。僕達は怪しい味のテキーラ・カクテルを飲みながら、これまでのことと、これからのこととを話した。


、、ところで、この店のメキシコ風はどうなんでしょう?
「う?ん、日本だと饂飩屋とかで、和服で運んでくる所とかあるでしょ。なんか過剰っていうか。ああいう感じ」

なるほど。


チレ:唐辛子のこと。

羊ページ7周年

Photo: 公園の白い砂 2003. Tokyo, Japan, Sony Cyber-shot U10, 5mm(33mm)/F2.8, VGA.

Photo: "公園の白い砂" 2003. Tokyo, Japan, Sony Cyber-shot U10, 5mm(33mm)/F2.8, VGA.

冬の公園の土は、カラカラに白く乾いていた。

風景は、遠くにある昔の色を見ているようだった。小さいときに見た、校庭の埃っぽい砂。

やがて、春が来るさと思っていた。そうしたらまた、緑の斜面を走ればいい。それが、ずっと繰り返されて、ずっと続くと思っていた。


今だって、そう思っている。人は年をとる、ということは少し分かった。その悲しさを少し感じた。でも、やっぱり季節はかわり、春は来る。

大人になると、放って置いたら忘れてしまうことや、感じられなくなってしまうことは沢山ある。見なくなる、聞かなくなる。ふと、自分がなにをしたいのか、探すことも諦めてしまいそうになる。そうならないように。


そして、羊ページも1月21日でまる 7周年。振り返ると、沢山の文章があって、写真があって。

これまで支えてくれた読者の皆さんに感謝。そして、改めて、よろしくお願いします。

鹿肉

Photo: 鹿の朴葉味噌焼 2003. Tokyo, Japan, Sony Cyber-shot U10, 5mm(33mm)/F2.8, VGA.

Photo: "鹿の朴葉味噌焼" 2003. Tokyo, Japan, Sony Cyber-shot U10, 5mm(33mm)/F2.8, VGA.

「この前、初めて鹿を食べたんですよ」
なるほど。
「そしたら、凄く美味しくて、それ以来鹿を見る目が変わっちゃったんです」
はあ。
「テレビとかで鹿がいても、じゅるじゅるって感じです」
、、。

ということで鹿を頼んでみた。


確かに鹿はうまい。脂の少ない野の物だから、バクバク食べてもなんとなく体に良いことをしたような気になる。それに、こういう食べ物は、人の体を芯から元気にする。

彼女が動物としての鹿を、どんな目つきで眺めるのか僕は見たことがないが、目の前に出てきた鹿の輪切りを幸福そうに眺めている様は、見ていて嬉しくなる感じだった。

まあ、僕は動く鹿の姿を見ても、「美味しそう」とかは思ったりしないが。