カレーで頭を痺れさせる

いつものように、卵カレーを食べながら、窓の外をぼんやりと眺めている。

午後 11時。客の入りはなかなか多い。向かいの友達はタバコを燻らせながら、マトンカレーの残りをすくっている。さっきから、会話はほとんど無い。テーブルの上で、グラスの発泡酒がぬるくなっている。

何かを考えるのもかったるく、僕たちは店員の様子やら、窓枠に光る電飾やら、そんなものを眺めていた。エスプレッソを持ったインド人のウェイターが、注文したお客を忘れてしまって、ウロウロしている。そこで事件が、、起きるはずもなく、僕たちは食べ終わって外に出た。


何かをしなくちゃいけないとか、楽しくなくちゃいけないとか、そういうのばっかりは疲れる。カレーで頭が痺れて、丁度良かった。

熱したものは

熱したものは必ず冷める。
静かなものだけが残る。


1年前、僕が書きつけた言葉。
何を思って書いたのかは、忘れてしまった。

女に叩かれる

彼女の左手が僕の頬に飛んで、パシッと乾いた音を立てた。

驚いた僕の視線と、直ぐ横で電車を待っている女性の驚いた視線が、一瞬、交差した。しかし、ケタケタ笑っているほろ酔いの彼女を見れば、直ぐに冗談と知れる話ではあった。

友達と一緒に、その酔っぱらいを電車に押し込んで、見送る。電車が行ってしまうと、春の夜のぬるい風が、頬を撫でた。これが冬だったら、痛かったんだろうな、なんて思った。

注:彼女→ she の意味ね。