人間ほど怖いものはない

人間ほど怖いものはない。

そういう風に教えられて育った。人間がいかに汚いことをし、いかに裏切るかを見て育った。

子供の僕にとって、決してよかったとは思えない。自分に子供が出来たとしたら、そういうものは見せたくないと思う。それはそれとして、僕がそういうものを見て育った事実は、消すことができない。

羊ページを見ている読者の方々は、このページの語り口が、どこか冷め切っていて、そして、人を見切ったようなところがあることに、気がついていると思う。それは、僕のそうした記憶が、僕の足を引っ張っている結果なのかもしれない。

それでも、不思議なことに、人を感動させるようなものが、たまには書けることがある。自分自身が信じていないような、希望とか、暖かさとか、そういうものが文章のカタチになって、人を喜ばせることが出来るのが不思議だ。

本当は信じている。だから書きつづける、たぶん。