月: 2000年1月

楽しげなこの街にも、影の部分はある。写真の橋は、ドゥカーレ宮殿と牢獄の間に架かる嘆きの橋(Ponte dei Sospiri)。「嘆き」は、この橋を渡った罪人の嘆きのことだ。

ガイドによっては、「死刑囚が最後に通った橋」「二度と戻れない橋」、と紹介する人もいる。真偽のほどは定かではないが、誇張のような気がする。

美しい意匠を施した橋だが、逃げられないように、窓にはしっかりとした格子が付いている。左側の宮殿の壁面が丁寧な仕上げなのに対して、右側の牢獄 の壁は、岩を削りだしたような荒っぽい造りになっていることに注意。大理石の碧みがかった輝きが、不気味に綺麗。

ゴンドラから見上げた、橋。船以外では、たどり着け無そうな、裏通りの橋。

この街の路地は恐ろしく入り組んでいて、素人がやたらに歩き回ると、確実に迷う。

それでも、危険を冒して街の奥深くに買い物に行く価値はある。現地をよく知っている人と一緒に歩くこと。僕は、ツアーコンダクターのお姉さん（と 言っておく）と仲良くなって案内してもらった。

イタリアは靴が安い。しかも、イタリア人は季節によって靴の色を変えるから（マジで）、季節を外した色の靴は安売りされる。そういうのを狙えば、 きっと良い買い物ができる。

ゴンドラの上から見た、ヴェネツィアの町並み。ここのゴンドラは、あまりにもツーリスティックな代物で、乗っている方がなんだか見せ物になった気分 がする。

だけど、面白い写真が撮りたかったら、ゴンドラは間違いなくお勧め。どこに向けてシャッターを切っても、多分、絵になる写真が撮れる。

ヴェネツィアをはじめとして、ヨーロッパの古い町並みを写真に撮ると、驚くほど綺麗に撮れることがある。この1枚は、まさにそんな感じ。