村上春樹の小説というものを読んだことはなくて

久しぶりに合った友達が、「今、村上春樹の羊をめぐる冒険を読んでいる」と言った。それはいいとして、彼のコメントが面白かった。「半分ぐらい読んだんだけど、なんかお前が書いているみたいで、気持ち悪い」のだそうだ。

ようは、その友達は村上春樹の小説というものを読んだことはなくて、そのかわりにこの「羊ページ」をずっと読んでいたのだ。

僕にとっては、そのコメントはむしろ喜ばしく感じられたが、村上さんにとっては、はた迷惑もいいところだ。どう考えても、僕の文章の方が、後に来たのだから。

なので、このページを気に入って読んでいただいている方で、まだ村上春樹の小説を読んだことが無い人は、ぜひ読んでみて欲しい。間違っても、あ、これ「羊ページ」に似てる、なんて思わないように。逆だよ、逆。

歯医者に通う

二ヶ月近く通わされていた歯の治療が、ようやく終わった。

とかく、歯医者というものは際限なくダラダラと治療をするものであり、黙っているといつまでも通うはめになる。案の定、僕は3本の虫歯の治療のために8回も通院した。
「もっとまとめて治療できないんですかねぇー」と、言えばいいのだろう。(職業柄、お客のそういう反応が、予想以上にプレッシャーになることは知っている)

しかし、僕の通っている歯科の医院長に限っては、とてもそんなことを言える相手ではない。


医院長の特徴は、二人の有名人に集約される。

見た目は、石原慎太郎である。目には、揺るぎない自信がみなぎり、ロマンスグレーの髪をなびかせて、鮮やかな手際で治療する。

受付には、権威のありそうなデンタルスクールの卒業プレートが幾つも飾られており、スタッフは若いねーちゃんではなく、ベテランの助手を揃えてい る。治療には容赦がなく、いざとなれば患者の不意を付いて、虫歯を隠す歯茎を電気メスで焼き切ることも辞さない(めちゃくちゃ痛かったぞ、コレは)。


声は、田崎真也である。
「ここのかみ合わせが良くないから、歯茎に負担がかかっているのです。」
まるで、ワインの特徴を説明するかのように、ささやく。
「全部入れ歯だね」と宣告されても、「はぁ、そうですかぁ」と言ってしまいそうな声だ。

そして、見事なテクニックで、虫歯をミクロン単位で追いつめていく。削った歯を埋める金属は一発で収まり、麻酔の使いどころもバッチリだ。


こんな人に、「あと何回ぐらいで終わるんでしょうかぁー?」なんて、僕は聞けない。

そういうわけで、僕は素直に 8回通院し、晴れて虫歯を全て治した。とりあえず、やり残して気がかりだった宿題を片づけてしまったような、そういう気分である。

写真のページ

[写真鑑賞]を作り直している。(極めてまれに)送られてくるアンケートの結果を見ても、このコーナーが「良い」と書いてくる人は滅多にいない。

原因は幾つかあるのだろう。(そもそも写真自体が「カス」なのかもしれないけど、、。)しかし、原因の一つに操作性の悪さがあることは間違いない。 このコーナーはとにかく重いし、操作がしにくい。あまりの操作性の悪さに、僕自身滅多に見ないので、ますますメンテナンスされずにほったらかしになるとい う悪循環、、。


なんで重いのか、というとデカイ写真を載せているためだ。なんで操作がしにくいのか、というとデカイ写真を載せているためだ。じゃあ、小さくすれば?

そうはしたくないのだ。写真を撮った僕としては、なるべく大きなものを見て欲しいという気持ちがある。写真を小さくし、圧縮率を上げれば、操作性は良くなり、ダウンロードの時間も短くなる。

しかし、そうはしたくない。それは、作り手の一方的な思いこみに過ぎないことは、分かっている。しかし、その手の思いこみを正すのは難しい。事実、 「出来の悪いもの」には、そういう思いこみに失敗の原因があることが多い。思いこみを正すのは、難しい。特に、芸術的やセンスの部分では。


しかし、今回は思い切って写真も小さくし、見栄えの点から拘っていた黒の背景もやめ、リニューアルしてみた。なんだ、少し見た目を変えただけじゃないか、と思われるかもしれないが、画像データは全て作り直し(作り直しだ!)、HTML も全て書き直した。膨大な作業量だ。

でも、どうせ分からないのだろうけど、、。

なんといっても、この羊ページ自体、サーバーに乗っているデータは 8MBぐらいだが(今回のリニューアルでかなり減った)、マスターデータは 400MBもあるのだ。(知らなかったでしょ)