外国の記事一覧(全 202件)

北京でカレー

Photo: 日本的中国カレー 2004. Beijing, Sony Cyber-shot U20, 5mm(33mm)/F2.8
Photo: "日本的中国カレー" 2004. Beijing, Sony Cyber-shot U20, 5mm(33mm)/F2.8

カレー部の人曰く、外国に行ったからこそ、ご当地のカレーを食べるべきだと言う。中国。この国にカレー屋なんて、、あった。普通に。しかも、「インド料理としてのカレー」ではなく、「日本的カレー」だ。


店構えは、日本のファミレスとカレーチェーンを足して二で割ったような感じ。簡単なテーブル席が用意されていて、今風にかつ安っぽく飾り立てられている。

カレーはトッピングによっていろいろ種類があるが(ソーセージカレーとか)、飲み物付きでどれも一皿 25元。300円ぐらいだから、あんまり安くない、ということは現地の感覚で言うとかなり高いということになる。でも、南フランスからの報告によれば、ご 当地では日本的カレーは一杯 3,000円ぐらいするらしいので、それよりは現地の感覚的に言って安いかなぁ。


メニューの写真を見ると(写真メニューがあるということ自体、なんだか日本のカレーチェーンみたいだ)えらく景気良く具が載っているので期待した が、出てきたものは割にしょぼかった。もっとも、日本のカレースタンドみたいな具のないカレーに比べれば豪華で、単に中国的具大盛りに目が慣れたせいかも しれない。

味は、いたって普通のカレーで、ちょっと甘口。ビーフカレーを頼んでみたが、牛肉は薄切りになっていて、角切りの馬鈴薯がゴロゴロ。妙に家庭的だ。で驚くべき事に、真っ赤な福神漬けが付いてきたよ。ここまで来ると、ほとんど日本食レストランだね。

この日本的カレーの普遍性、世界を制覇するかもしれない?!


、、で、その不味そうに食べてるモノは何ですか?何、カレー炒飯。中国だから、こっちの方が安全だと思った。いや、そんなことは無いでしょ、、。なに?冷めてる?それはきついな。

世界遺産(のレプリカ)の横

Photo: 長城の横の遊園地 2004. Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105
Photo: "長城の横の遊園地" 2004. Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105

中国に来たからには、万里の長城は見たい。しかも高速道路ができて、3時間もあれば往復できるらしい。時間は無いが、早起きすれば、、。「早朝とかでも来てくれるんですかね?」

日の出、息も白い頃、ちゃんとツアーのバンが待っていた。


光化学スモッグに曇る北京市中心部を抜けて、郊外(!)の万里の長城へ。なんだ、万里の長城って市内にあるのか。しかし、市といっても 1.68万平方キロ(東京都が 1,781平方キロだから、その 10倍弱)もあるから、やっぱりそんなに近くには無い。

20代前半のガイドは分かりやすい英語を話す。農民籍の出身だが、大学を出て観光の勉強をし、英語も覚え、ガイドになったらしい。将来のニューリッ チの予備軍というわけだ。そのガイド曰く「万里の長城は年々短くなっています。近所の住人が家をたてるのに石や土を持っていってしまうから」

ホントかよ。でも高速道路から見る古い長城は崩れ果て、埃っぽい景色の中に貧しい家々が建つのを見ると、それもうなずけるように思う。それに、中国、というこの土地なら、それぐらいはあるだろう、と思える。


そして万里の長城へ。車を降りた瞬間から、立ち並ぶお土産屋、ノシノシ歩く記念撮影用のラクダ(なんでラクダ、、)、もう完全に予想できた世界ではある。(ガイド曰く「ラクダを写真に撮ると、金をせびられますよ!」)

実際に長城を歩いてみると(ガイド曰く「これは 30年ぐらい前につくったものです」)、まさに山の稜線に沿って建築されているのであって、観光用に整備された部分(ガイド曰く「もう 600回以上来ましたよ、ここ」)を歩くのでさえ、ちょっとうんざりするぐらい長い。長すぎて、途中で引き返した。いったい、あれをどんどん歩いていく と、どこまで行けるのだろう?南に行けば、(本当の長城は)海に出る。


長城は、壁の部分と見張り台の部分から成っており、見張り台部分では 監視カメラが目を光らせ、おみやげ屋と、ラクダ屋(写真が撮れる)が待ちかまえている。(ガイド曰く「とんでもなく高いから、買うべきじゃありませ ん」))お客は、日本人もちょっと居るけど、大半は中国の他の地方から来た人たち。日本で言えば、天橋立とか、浅草とか、そいういう感じか。まるで、遊園 地だな、、と振り向くと遊園地があったよ。

世界遺産(のレプリカ)の横に、何の躊躇もなく遊園地をつくってしまうこの国、このシュールな光景。よく見るとジェットコースターが走ってる。もの すごく乗ってみたかったが、誰も乗っていなくて、そもそも何の動力で動いているのかいまいち分からなくて、やめた。(戻って来られないような気がした)こ の勢いでは、北京五輪に向けて、「万里の長城ホテル」ぐらいは建てそうな気がするよ。
ガイド曰く「翡翠の工場があるんですが、帰りに見に行きますか?」

なんだ、結局、お前も何か売りつけたいのか。(しまいに、お茶を買わされた)

魔女の鍋的食い物

Photo: 2004. Beijing, Mainland China, Sony Cyber-shot U20, 5mm(33mm)/F2.8
Photo: 2004. Beijing, Mainland China, Sony Cyber-shot U20, 5mm(33mm)/F2.8

羊ページ管理者たる者、羊を食べなくてはいかん。


先ほどの油炒飯の店。周りのテーブルを眺めると、皆、仕切りのある鍋でグツグツ何かを煮ている。火鍋ってヤツか。言葉が全く分からないので、あれくれ、あれくれと指さして頼む。2回行って(気に入ったのだ)何となく分かったのだが、この火鍋屋はセミオーダーメイドみたいな仕組みになっている。

まず、基本になる鍋を頼む。そうすると、辛いスープと、そうでも無いスープの二色が入った鍋が来る。中には出汁の素なんだか木っ端くずなんだか分か らない変なものがいろいろ浮いているが、具は入っていないので、適宜具になる肉を選ばなくてはいけない。肉は、1つ頼むと、普通に山盛り 3人前ぐらい出てくるので、知らないで人数分頼むとものすごい量の肉が運ばれてくる。(運ばれてきた)


肉は、牛と羊のいろいろな部位をかなり細かく(30種類以上)選べる。羊脳だって頼める。その次には、野菜(29種類)を頼む。キノコ(13種類ぐ らいある)も別に頼む。ただし、時々「メイヨー」な素材もあるから、全部頼めるわけではない。肉だけ頼んだら、野菜を頼めと、しきりに店員が言う。しゃぶ しゃぶみたいに、もう肉しか食わないとか、そういうのはダメみたいだ、バランスが大事。これらをまとめてぶち込んで、グツグツ煮込むと、「ヘルシーな火鍋 が今 OL に人気です」とかそういう甘っちょろいジャパナイズされた食い物ではなくて、呪われてるとしか思えない、魔女の鍋的食い物ができあがる。おお、レゲエスタ イル。


最後に、つけだれを注文する。つけだれは、大根おろしでさっぱりと、、ってこれは、おろしニンニクじゃないか!大根おろしの代わりに、なんかの油の 中にたっぷりおろしニンニクが投入された、強烈なつけだれ。これに、グツグツ煮込んだ羊肉をごっそり突っ込んで、焼けるような白乾(中国焼酎)蒙古王で飲 み下すと、なんか変な脳波が出る。値段は恐ろしく安くて、「机一杯」頼んでも 2,000円しない。酒をボトル一本頼んで、3,000円。

この火鍋は下品に煮込んで、まぜて、飲み下すと、旨い。中国いいなぁ、と白乾に酔いながら思う。