802.11b/g station

TPを買い換えたので、家のインフラを一気に更新することにした。こういうのは勢いだ。
TPがせっかく802.11a/b/g対応なので、11bから11b/gに、無線LANステーションを入れ替えることにする。ただ、世の中は無線LAN付きBB Routerがデフォルトなので、単体のステーションというのはあんまり売られていない。kakaku.comなんかを見ても、掲示板に殆ど情報はなく、何を選んだら良いのかあまり手がかりが無いのが不安だ。
仕方がないので、悪い評価が書かれていない(というか何の評価も書かれていないに等しい)BUFFALO WLA2-G54Cを選んだ。イージスのバルカン砲みたいなちょっと変わったデザインが特徴的。
無線LANステーションを単体買いするような人は、きっとネットでちゃんと情報を集める人に違いなく、そんな人のために簡単にレビューを書いておく。
WLA2-G54Cは802.11b/gのステーションで、暗号化はAESまでサポート。現時点では、まあ、最新の部類に入る製品だ。実売価格は7,000円前後で、送料・ポイントなどを考慮すると、安売り店で買っても、ヨドバシで買ってもあまり大差はない。ウリは簡単セットアップのAOSS機能!らしいが、そういうものは使わないので関係ない。
さて、setupは本体をLANにつないで、Web経由で行う。マニュアルは無いに等しいが、helpが割に親切(ただし初心者向けではない)なので問題は無いと思う。パフォーマンスはSMBのファイルコピーで実測25Mbps程度(AES使用時)で悪く無い。セキュリティー面もかなり充実。まず電波強度を4段階に設定可能なのはとても良い。電波干渉や傍受のリスクを減らすことができる。WEP、WPA-PSK(TKIP、AES)に対応しており、これにMACアドレスで縛りをかければ、侵入はかなり困難(事実上無理)になると思われる。また、アクセスlogがちゃんと残るのも高評価。パケットフィルタで無線LAN側からの本体設定機能へのアクセスを遮断することも出来る。
無線LANは相性がある(ような話も聞く)が、TPと使っている限りでは、安定した接続をしている。以前使っていた同じBUFFALOの11bのステーションは、かなり発熱が酷かったが、この機種ではほんのり暖かい程度で、だいぶ改良されている。総じて言えば、安心して使える良い製品だ。
※ついでに、HUBもGbE対応の8ポートに入れ替えてみた。何の意味があるのかは分からないが、、。

足(たる)を知る

このところ、コンサルティングファームとか、そういう人の話を聞く機会が結構あって、思ったのだが、なんかああいう価値観って自分には合わない。ストレッチ、ストレッチ。前に前に。取り尽くしたら、さらに取り尽くせ。

これって、まったくもって西欧の価値観だと思う。そういうことを続けるのは、実は凄く大変で、それに耐えている自分、みたいなモノにプライドをもっ てやってるというのがよく分かる。一方で、負けた人に与えられるものは何も無くて、「常勝」だけが全ての価値観になっている。それが好きな人に何を言うつ もりもないけれど、見ていて素直に「凄い」とだけは思えない。痛そうだな、と思ってしまう。いや、もはや痛みすら感じないのだろうか。

とにかく、違うな、と思う。


一方で、足(たる)を知る、というような価値観があって、自分はこっちだろと思うのだ。常にアドレナリンを出しながら走り続けているみたいなもの は、一見格好良いのだが、失うものは大きい。なんで、四六時中そんなに自分を騙したり、言い聞かせたりしないといけないんだろうと思う。

人生は、やりたくないことをやるには短すぎる。自分が好きか、キライか、それをよく考えて、できるだけ好きなことをしなきゃいけない。そういう風に思うのだ。


というような話を、いつものバーのマスターとする。

っていうか、マスター、なんで牛乳飲んでるの?まあ、いいけど。

注:稲盛イズムの信者という話ではない。

スーパー・ニッカ

Photo: ニッカ 2005. Sapporo, Contax i4R, Carl Zeiss Tessar T* F2.8/6.5.

Photo: "ニッカ" 2005. Sapporo, Contax i4R, Carl Zeiss Tessar T* F2.8/6.5.

札幌に行ったときに、必ず行くバーがあった。別に、お洒落だとか、カクテルが旨いとかいうのではなくて、とにかく安い。すすき野の一等地にあるくせに、店内に飾り気は一切無し。メニューの中心は、国産のモルトウイスキー。つまみも簡単なものが中心で、男の独り客がスパルタンにカウンターで飲むといった、かなりいかつい店だ。


さて、この間、久しぶりに行ってみると、扉を開けて入ったは良いが暫く呆然としてしまった。店の名前も、場所も同じなのに、店の中が全然違う。カウンターは夜景をバックに通りに面した側に移され、「止まり木」程度だったテーブル席はきちんと寛げる「テーブル席」に変り、コンクリ打ちっ放しの床は板張りにと、今風に改装されていたのだ。

そして、僕はカウンターの女性のバーテンの前に通された。というか、バーテンが女性だけだ。ちなみに、前の店(?)はバーテンは苦み走ったオヤジだけだった。怪訝な表情を浮かべながら(浮かべたくはなかったが、浮かんでしまっていたはずだ)メニューを繰ると、ダイニングバー並みのフードメニューの充実。前の店では頼んだことがないカクテルが全面に押し出され、メニュー単価は順当に上がっており、なにがなにやら。まずは、オンタップのビールを頼んで気を落ち着けた。ビールはちゃんとしていた。


店がいったいどうなったのか、バーテンに聞いてみた。2年ほど前に全面改装したのだという。なるほど、札幌は2年ぶりで、僕が最後に行った直後に改装されたのだろう。店のスタッフも大幅に入れ替えられて、もう昔の面影はない。バーテンの彼女にしても、改装されてからスタッフだという。少し寂しい気分になったが、それはそれ。以前のカラカラしたピスタチオのあてよりも、新しい店で出てくるカカオの強い生チョコのお通しのほうが、よほど気が利いている。

女性で「酒が好き」という人は、ホントに酒が好きな人が多い、というのが僕の印象なのだが、たまたまこの日僕の前に立った彼女も、「酒が好き」でこの仕事をやっているという。彼女が勧めたのは、この「スーパー・ニッカ」の原酒。つまりブレンド前のシングルモルトで、55.5%。え?、スーパー・ニッカ?という声が聞こえてきそうだが、これは美味しかった。もちろん、高級な味はしない(値段も、とても安いのだ)。でも、筋の良いハウスワインというか、毎日仕事上がりに1杯飲むのに良い、素朴な味がする。酒が好きな人が好きな味。価格は安く、普通には流通していない。やみくもに、高いものを勧めるのではなくて、ちゃんとこういうものを出せるってたいしたものだと感心。店は全然変わったけれど、また新しい歴史がつくられていく。