ガラクタ捨てれば自分が見える

最近、いきあたりばったりで、Amazon で本を買っている。インターネットが無い頃は、本屋でやたらに本を買う時期があった。何かを探すような時期、そういう時に、「出会う」としか言えないよう な巡り合わせで、読むことになる本というのがある。今回のは結構意外なテーマ。

「ガラクタ捨てれば自分が見える―風水整理術入門」 もうタイトルからして、相当胡散臭いんだけど、買った。

元になっているのは風水だが、何々をどこどこの方角に置けとか、そういう話ではない。”あらゆる種類の「ガラクタ」は、空間のエネルギーがスムーズに流れる妨げとなります。そして住人の人生を停滞させたり、混乱させたりするのです。”家の中のガラクタどもは、怠惰の結果、ばかりではなくて、良き人生の妨げ、原因そのものになり得る、というのがこの本の主旨。しかも、ガラクタのエネルギーは”ネバネバして”いるので、なかなか離れない。それらがまとわりついて、未来を阻むって。確かにそうかもしれん、、。ゴチャついた部屋に居ると、なんか疲れるよね。


ということで、Amazon からその本が届いた先週末以来、猛然と片付け、というか捨てを開始。世の中の整頓術の殆どは無意味で、結局は捨てろ!捨てるんだ!ということがよく分かる。いつもの掃除とは違う容赦のなさで捨てる。整理整頓じゃなくて、破棄、ひたすら破棄。

4A 対応フラットヘッドスキャナ(とんでもなくでかい、そして微妙に壊れている、あげくに SCSI 接続)、APC の無停電電源ユニット(バッテリがいかれている、凄く重い)、泡盛の残り(何かが混入している気がする)、その他限りない訳の分からないモノモノ達。

捨てる、捨てる、捨てる。

AXIS の建築特集(建物なんて建てない)、米陸軍戦闘マニュアル(戦うのか?)、97年スキーグッズカタログ(ビンテージか)、社会学ハンドブック(大学で買った、読めば面白いんだろうけど)とか、本が沢山。

無情にどんどん捨てていくと、確かに、自分でも何故とっておいたのか分からないものをもっている。10年前の WIRED なんて、どうする気だったんだろう。もちろん、思い出のモノも捨てる、それは未来の自分のためのモノではない。でも、そういうことはゴミ袋に放り込んでか らはじめて、呪縛が解けてからようやく、気がつく。


一段落して、山ほどゴミが出た。部屋がスカスカしてるね。ぎっしりしていた本棚が、スペースができて息を吹き返したかのように見える。並んでいる本 が面白そうに見えるよ。理由無き執着、未来への不信。それらが凝り固まったガラクタ。なんだ、モノを捨てるだけで、こんなに気分がいいのか。

どういう言い方が正しいのか分からないけど、シンプルな生活が出来る人、荷物も家具もほとんどなくて、生まれたときからミニマリスト、みたいな人をうらやましいと思う。僕は違う。僕みたいなタイプの人間は、努力しないとダメみたいだ。まだまだあのへんも捨てられそう。

引用:ガラクタ捨てれば自分が見える―風水整理術入門、小学館文庫、カレン・キングストン(著) 田村 明子(訳)、2002年、20頁。

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