YOUR CHOICE

Photo: “YOUR CHOICE.”
Photo: “YOUR CHOICE.” 2018. Tokyo, Japan, Apple iPhone 6S.

「あんた、俺を誰かと勘違いしてるよ!」

前を歩いていたサラリーマンが突然振り返り、僕の友人に啖呵を切った。

「は?どうかしましたか?」

イヤフォンを外して、礼儀正しく問い返した友人に、サラリーマンもア然として「は?」

朝の駅のどまんなかで、大の大人が顔を見合わせてしばし呆然としている。そんな話を、ワインを飲みながら聞いている。


何者かに自分がつけられていると勘違いしたとして、こんな啖呵を切らせるのには、相当な覚悟というか、相当な恐怖が必要だろう。

友人にたまたま後ろを歩かれただけで、そんな恐怖を味わうものなのか。

確かに、見た目は怖い。最近、運動不足で一回りガタイが大きくなった友人は、仕事仲間の若者達からは企業舎弟とか、そんな風に言われているらしい。20年前に、僕が初めて出会ったときも、この人はきっと怖い人だから、間違っても深入りしないようにしよう、と考えた。

実際、かれは至極まっとうな人間で、反社会勢力でもないし、昔やんちゃだった、みたいな事も無い。外資系 ITに 10年以上勤めて、自ら選んで起業して、最初は色々苦労しながらも、今は着実に歩んでいる。しかし、残念ながら人は見た目が 100パーセント。


さて、ワインだけでは寂しいので、なにかつまみでもとろう。チーズの 3種盛りなんて良いんじゃないか。これはリストの中から選ぶのか?勝手に選ばれるの?

「君のおすすめを持ってきてくれたまえ、的な感じでいいんじゃない?」
と彼は言う。しかし、そんな見た目で、しかも、今日のトレーナーには「YOUR CHOICE」って書いてある。(しかも全部大文字だ)俺ならそんな人間に、「君のセンスで選んでくれたまえ」みたいなことを言われたくないね。震える。

で、頼んでみた。チーズの銘柄を訊かれることも無く、無難なセレクションで勝手に選ばれて運ばれてきた。まあ、そんなもんだ。

“My name is” or “I’m”

“My name is” なんて言い回しは、今時のネイティブは誰も使わない。そんな話を聞いた。本当だろうか。今時のネイティブって何だ。日本語ネイティブ話者の日本語だって、随分振り幅はあるわけで、十分胡散臭い主張だ。

という事で、英語の先生に訊いてみる。答えは大変に意外、というかまったく意図していない話を聞くことができた。


実際、”My name is” も “I’m” も、どっちも言う、それが僕の英語の先生の答え。それはどっちでもよろしい。それよりも、自己紹介の時に、きちんと自分の名前のフルネームを言うかどうか、それが最も重要!と言われてしまった。

日本人には多いと思うが、僕の名前も結構長い。で、言いにくいだろうと思って、名字で通したりするのだが、それではそもそも 姓=フォーマル 名=カジュアル の使い分けにそぐわない。

そしてなにより、「発音が難しいだろう」という日本的配慮は相手にとって「大変に失礼」だと言うのだ。それは暗に相手の能力を見くびることになるし、勝手にバックグラウンドを推測することだと、たいそうご立腹。え、そこ怒るポイントなの?という気がしたが、理由を聞くとなんとなく納得。

つまり、日本人の名前の発音が難しいとは言っても、親戚が日本人かもしれないし、だいたい発音しにくい音は言語体系によって違うし、発音能力も人によって違う。そうした相手の背景を決めつけて、レベルを下げた対応を取るというのは、失礼。なるほど、説得力のある主張だ。

例えば、僕の名はそこそこ長いが、音の配列の関係で英語話者にとっては姓よりも発音しやすいらしい。それはまた新しい別の発見。自分のアイデンティティであるところの名前を端折られるのは、日本人が考えるよりも、相当に相手を見くびった行為に思えるようだ。中華系で、よくJhonとか西洋風別ネーム持ってる人を見るけど、そういうのはどう思うんでしょうね、というのは今度訊いてみたい。


と言うことで、正解は I’m フルネーム、もしくは、My name is フルネーム、両方OK。どっちにしても、フルネームが重要。そして、呼び方は相手が決める。もちろん、言語感覚は人によって違うし、英語の(言語の)正解っていうのは無いし、そのクラスタとかに寄っても違うだろう。でも多分、多言語多文化なビジネスの現場で英語を使う人にはこれが一つの正解な選択肢。それは確かだ。

俺レシピ チキン タコス

Photo: “Tacos de pollo.”
Photo: “Tacos de pollo.” 2018. Tokyo, Japan, Apple iPhone 6S.

主材料を鶏肉縛りとした、料理飲み会。人はそれを「鳥会」と呼ぶ。

飲みながら調理されるため、終盤にかけてはまともな完成写真も無く、レシピも、食べた記憶そのものも失われることが有る伝説の集まり。

失われた記憶からサルベージされた、オリジナル チキン タコスのレシピをここに記す。食欲の落ちる夏場の集まりにはベストの一皿。食べ手が自分で料理を完成させる楽しみも有る。写真は、なんとかそれっぽいものを当日のデータから見つけてきたが、どう見てもサルサソースがかかっていないし、別メニューの鶏ハムが巻かれている。


まずはサルサソースの材料。メキシコ育ちの友人から聞いたご家庭レシピに基づいている。

  • 中ぐらいのトマト4つ、湯剥きしてみじん切り、酔っ払いどもが食べるので湯むきいらないんじゃないか説が有力
  • 紫玉ねぎ1つ(2つでもいいかも)みじん切り
  • 青唐辛子1袋(全然辛くないものだった)みじん切り
  • パクチー1袋(嫌いな人用に分けておく)みじん切り

ここまでの材料をまずは合わせておく、まとめて十分に冷やしておきたい。厚手の調理用ビニール袋にまとめて放り込んでおけば、冷えやすいし仕上げにレモンなどを加えたときにも混ぜやすい。
以下の材料は、水が出るので食べる直前に合わせる事。

  • ライム1つ
  • レモン2つ
  • クミンシード(余ってたから入れただけ)
  1. 冷やしてあった野菜に、ライム・レモンを絞る
  2. 更に、クミンシードを隠し味に放り込む
  3. よく混ぜて、仕上げに塩(多めに)ここからどんどん水っぽくなるので、時間との勝負

続いて、「チキン」の部分とトルティーヤ。

  • 鶏挽き肉(実際は合い挽きのほうがうまいと思う)300g
  • にんにく、ひとかけ刻む
  • 出来れば生のトルティーヤ10枚入り x2袋

ここからは、一気に仕上げて食べていく。

  1. オリーブオイルで、にんにくを炒める
  2. 1.にひき肉を加えて炒める
  3. 挽肉なのでちゃんと火を通し、仕上げに塩・胡椒ぐらいで味付け。ソースを入れても良かったのではないかと言う気が。出来上がったら器に盛っておく。
  4. 別途、トルティーヤを焼いて更に重ねておく。布をかけておくと冷めないかも。
  5. 別途、合わせたサルサソースを準備。
  6. 出来上がった、トルティーヤ、チキン、サルサをテーブルに一気に出して、各自包んで適当に食べる。テーブルにはキッチンペーパーのロールを出しておくと部屋が汚れないでしょうね。。