そこまで書かれてもなお、CONTAX T の名前をつけられたコンパクトデジカメというのはなんなのか、買ってみる価値があるものなのか知りたいという人は、これ以降を読んで欲しい。言っておく が、僕はこのカメラを「とても気に入って」いるのであって、論調は辛いかもしれないが、決してけなしているわけではない。こんなに「愛をもって」使えるデジカメもそうは無い。
デザイン的に言うと、多くのデジカメのデザインは安普請家電の典型とも言える最悪のものばかりなので、それを考えるとかなりまともで気に入ってい る。少なくとも、何かの気品は感じるし、フィルムカメラに近い保守的なデザインなので、他の CONTAX のカメラと並べても違和感は少ない。実際、ほとんどの人が背面を見るまでは、銀塩カメラだと思うようだ。無駄にでかいと言われるが、実は大きさ自体は、 T3 よりちょっと大きいぐらい。重量は一般的なデジカメより重いが、軽いカメラなんて信用したくないので、これはこれで良い。背面がプラスチックで安っぽいと いう意見もあるが、僕は別に問題ないと思う。所詮、デジタル機器なんだし。ボタンの押し心地も悪くはない。ただし、モード切替ダイアルが、かなり緩いの で、ポケットやケースに入れた時に知らぬ間にずれてしまっていることが多い。これは要注意。
操作系については、「こうやったら、こうなるはず」というオペレーションができる秀逸なもの。動作も速く、これについては高く評価できる。マニュア ル無しでも操作は可能だ。ただ、使っていて Mac ぽいなーと思うロジックが多々あって、コンピュータユーザではなくて、純粋なカメラ使いにとって使いやすいかは、謎だ。