眠れない午前二時、でも焦らない

Photo: “A view from a corridor in Las Vegas.”

Photo: “A view from a corridor in Las Vegas.” 2015. Las Vegas, U.S., Apple iPhone 5S.

出張最終日、眠れない午前二時。でも焦らない。

横になっているだけで、だいぶ違うからだ。


横になっているだけでだいぶ違う、初めてその言葉を聞いたのは、友達と初めて海外旅行に出発する前の夜だった。社会人になったばかりで、初めての友達三人での海外旅行。前日から、友人の家に集まった。そしてその時は、旅行が楽しみで寝られなかった。

今は、帰れるのが楽しみで寝付けない

沖縄の人のための、外食沖縄料理

Photo: "Shekwasha cocktail."

Photo: “Shekwasha cocktail.” 2017. Okinawa, Japan, Fujifilm X-Pro2, Fujifilm M Mount Adaptor + Carl Zeiss Biogon T*2,8/28 ZM, Velvia filter

なんでノドグロが有るんだろう。根室の秋刀魚もある。メニューを見ながら、首を傾げる。

那覇、沖縄。ここは地元の人と、地元の人が接待で呼んできた人が通う店。最初に連れてきてもらった時から、次に那覇に来たら、またここに来ようと思っていた。

ここのメニューには沖縄料理と、普通の居酒屋料理がある。沖縄料理の方は、普通の家庭料理とは違う、どれも店流のアレンジを加えた「外で食べる沖縄家庭料理」になっている。例えば、ナーベラーチャンプルーは普通に目にするものとは違って、八丁味噌風味で甘口に仕上げてある。ニラが入っているのもアイディア。

よくあるメニューであるミミガーの和え物には、キュウリと葱を刻んだものが両方入っていて、強めのポン酢とゴマがかかっている。王道のミミガーを食べたい人のためのものではない。ちょっと変わったヤツを食べたい、そういう気分に応えるようになっている。


今の季節にだけ、生が出回るシークワーサーを山ほど入れてもらってサワーにする。沢山入れると、早生のミカンのような味がする。実際、収穫せずに放っておくと、確かにむいて食べられるミカン色になるそうだ。(酸っぱくて食べる人は居ない)

ところで、なんでノドグロとか秋刀魚とか、メニューはそんな魚ばっかりになってるの?

「沖縄の人は、沖縄の魚のお刺身は食べたくないからね」

まぁ、、言われてみればそうか。その一言はあまりにも重く、次の日から地元の魚の刺身を頼んでいる観光客を見かけると、ちょっと可哀想な気分になってしまった。

youtube 以前、もっと世界は単純だった

Photo: “Live streaming.”

Photo: “Live streaming.” 2003. Tokyo, Japan, SONY Cybershot U10.

90年代のライブをyoutubeで見ている。もっと世界は単純だった。あるいは、そう見えていた。

Internetライブ配信を初期にやっていた人間が言うことではないが、そんなものが無い時代は単純だった。一握りのプロにエンターテイメントを任せておけば良かった。何が良いか、悪いかは、勝手に決めてもらえた。流行は勝手にきまって、それをフォローすれば良かった。

苦労して、自分でblogを書いたり、youtubeで動画をつくったり、SNSで消耗しなくて良かった。でも、それは僕たちが選んだ未来だ。力を自分たちに。教会壁面のフレスコ画から、カンバスの上に個人が自由に絵を描ける時代に。技術が、芸術を変える、拡散させる。音楽も、動画も、文章も、写真も、全部、誰でも出来る時代、力の分散。


でも、実は誰にでも出来るわけじゃ無い。もっと大変になって、複雑になって、世界対自分で戦わされる厳しい時代。でもそれは、悪いことだったのだろうか。いや、そんな事はない。そうであってはいけない。

そう信じてやってきたのだし、平等と、公平と、開かれていることは何よりも大事なのだ。たとえ、僕自身がそれに順応できなかったとしても、それは正しい歴史の流れなのだ。