真空管アンプを買ってみた

Photo: LUXMAN SQ-N100 2007. Ricoh GR DIGITAL, GR LENS F2.4/28.

Photo: "LUXMAN SQ-N100" 2007. Ricoh GR DIGITAL, GR LENS F2.4/28.

で、真空管アンプを買ってみた。

とはいっても、軽自動車みたいな値段で、庭石みたいな重さのやつじゃない。
LUXMAN SQ-N100。12W+12W の低出力で、A4 サイズっていうのが、気に入った。

使い方とか、さぞややこしいかと思ったら、別に普通。ただ、真空管とコンデンサの上は、目玉焼きが出来そうな熱さなので、普通に AV ラックに押し込むのは全然無理。
真空管とはいっても、今日的な商品なので、ちゃんとリモコンで音量調節が出来たりして、便利。LED が薄いアンバーというか、オレンジ色なのはなんでなんだろうと思ったら、真空管のヒーターの色と同じにしてあるんだな。

夜、真っ暗のなかでボゥッと光る真空管は、思った以上に、空気を落ち着かせる感じがする。音がまろやかとか、そんなことは分からないが、真空管はロシア製ってあたりが、これまたいいね。

夏の終わりと蝉の死骸

Photo: 蝉 2007. Ricoh GR DIGITAL, GR LENS F2.4/28.

Photo: “蝉” 2007. Ricoh GR DIGITAL, GR LENS F2.4/28.

朝。

ゴミを出しに外に出ると、蝉が飛んできて、そうして、ギャッと地面に落ちて死んだ。

やれやれ、朝から蝉が死んだ。


何日かして、動かなくなった蝉を抱き起こすように、鮮やかな緑色のカナブンがひっついていた。ダイジョウブ?と寄り添っているようにも見えたし、じっと死を待っているようにも見えた。お前も、そこで死ぬのか?

でも、気がつくと、カナブンはいなくなっていた。蝉だけがずっと転がっていた。


台風が来て、酷い風が吹いて、蝉の体はどこかに行ってしまった。と、思ったら、玄関のドアの横に吹き寄せられていた。困る。

そのままにしておくのは忍びなく、でも、葬るにふさわしい場所もなく、その体を燃えるゴミに出してしまう。都会のど真ん中で死んでしまった蝉。それはそれで、相応しいんじゃないか。蝉も、それで良いと言っているような気がした。

某月某日

この月、さらに何も書かず。