もはや秋。どういうことかといえば、お近くのローソンに「マツタケご飯弁当」が並んでいたから秋なのだ。
ここ最近、不規則な食生活ですっかり体重が増えてしまったので、なるべく外食は避けようとしていたのだが、この日はつい遅くなってしまった。仕方が ないので、会社の裏の(おなじみの)ローソンに、何か買いに行くことにした。暦どおり、日がどんどん短くなってきている。外に出ると、もう夕闇の時間は過 ぎ、夜の闇が降りていた。しかも、折からの雨、あたりはかなり暗い。
傘の雫を手早く振り落として傘立てに放り込み、店に入った。店内には女性の店員が1人と、少し年配のお客が1人。さて、何を買ったものか。夜遅く なってから行ったので、弁当コーナーの品揃えは、かなり寂しくなっている。秋鮭のフライ(こってりしたタルタル・ソース付)、牛丼大盛り弁当(まさに大 盛)と、げんなりするような品々。でも、1品だけ購買欲をそそるものがあった。それが例の「マツタケご飯弁当」。(正式には「松茸弁当)
まあ、内部のマツタケ自体は、「なめこですか?これは」というような感じだが、細かく刻んだ柴漬けや、あっさりした感じの煮物などが付いていて、なかなか好ましい印象を受ける。秋だし、これだな。
さて、この日は、シーズンで初めて肌寒さを感じた。そんなこともあって、いままで買ったことは無かったカップの味噌汁をつけてみることにする。日ご ろは、いちいち作るのがめんどくさそうなので(会社には給湯器があるものの、あまり美味しいお湯が出てきそうな代物ではないし)見向きもしないのだが、店 内をよくよく見てみればレジの横にはフリーに使えるポットがあるではないか。しかも、この店のカップ味噌汁のラインナップは、かなり充実している。少し 迷って、「今日は、蜆(シジミ)」ということにした。
で、レジを済ませ、脇で蜆の味噌汁にお湯を注いでいると、僕の脇をダッシュで走り去る奴がいた。恐ろしく嫌な予感がしたが、こちらは具の袋(蜆10 数個のパックと味噌パック)を取り出す段階から、熱湯を注ぐ最終段階に入っており、身動きがとれない。一瞬、蜆汁のカップを抱えて、凍りつく。
果たして、外に出てみると、あっさり傘(わりと高い折りたたみ)を盗まれていた。店には、僕のほかに客はあいつしかいなかったから、犯人は一目瞭 然。それにしても、日本だと思って気を許したのがアホだった。悔やんでも、どうにもならない。まあ、場所がコンビニなので替えの傘をすぐ買えるのは便利だ けどさ。なんというか、一度外に出て行ってからビニール傘を買いに戻るのには、奇妙に気まずいものがあった。
僕「ええ、、。」
店員「そぅ、、315円です。」
僕「はぁ、、。」
マツタケご飯とアツアツの蜆汁は、美味かったが、それにしても高い味噌汁だった。