小肥羊の炒飯

Photo: 2004. Beijing, Mainland China, Sony Cyber-shot U20, 5mm(33mm)/F2.8

Photo: 2004. Beijing, Mainland China, Sony Cyber-shot U20, 5mm(33mm)/F2.8

北京、金持ち街から少し奥に入ると、再開発に取り残された一角に出た。下水のふたから何かが漏れ、野菜くずだのガラクタだのが路肩に積まれている。そのひときわ汚い裏路地の一番奥にある「小肥羊」。

中にはいると、街場の美味い食堂の喧噪。当たったな、と思う。


軽い気持ちで頼んだ炒飯に絶句した、というより、叫んだ。「うめーーーっ!」6元(72円)で山盛りが出てきた。具は、卵と葱が少し。全然豪華じゃないけど、ホント美味い。

炒飯はパラパラが美味しいとか、そんな今までの概念が覆る。まず全然パラパラじゃない。油だ、油でヌルヌル、でも全くしつこくない。日本には出汁を 注いだ茶漬けがあるように、中国には油で炒めた飯がある。そういう位置づけなんだろうか。油でサラサラ行くような、もう幾らでも食べられる。冷めても、不 思議とべたつかない。文字通り、「炒飯は飲み物」だった。

で、なにやらこれってチェーン店みたいなんだが(全国連鎖と書いてある)、それでこの味!?あるいは、王将でたまにあるここだけ美味い店みたいなものなのか?中国恐るべし。

注:中国のレストラン(と食堂)では執拗に炒飯を頼み続けたが、ここのが一番うまかった。そして、一番安かった。滞在中に再訪したところ、やはり美味かった。

この恐ろしい国、no rules.

Photo: 2004. Beijing, Mainland China, CONTAX T3 Carl Zeiss Sonnar T* 2.8/35, Kodak EB-3

Photo: 2004. Beijing, Mainland China, CONTAX T3 Carl Zeiss Sonnar T* 2.8/35, Kodak EB-3

この恐ろしい国、no rules.

汚染された大気が霧のように街を覆い、建設中のビル群に太陽が鈍い光を投げかけている。NOxの固まりのようなザラザラした空気を吸うと、鼻腔がピ リピリする。日本の「高度経済成長」と言われた時代に僕は間に合わなかったが、この中国でまさに同じような時代が始まっているのだ。


道路の信号は、あって無いようなもの。青は危険、赤はもっと危険。とぎれることのない車と、自転車の列。人々の流れになんとか付いていきながら、車の鼻先を渡っていく。慣れないと、ホテルからはす向かいのオフィスに行くのに、20分もかかる。

ホテルの部屋は遠くにケリーセンターを眺める 14階で、やたらに広い。部屋には壷だの、彫刻だのが置いてある、これが一晩 1,000元。おそらくは、北京の平均的な農家の月収の数倍であり、東京のホテルの数分の一だ。シャワールームのシーリングには隙間があって、直ぐに水浸 しになるけれど、24時間ひっきりなしに巡回しているハウスキーピングが、たちまち拭き上げてしまう。


夜、外を眺めると、工事現場からは溶接の火花が漏れ、路上では荷車を引いた果物売りが店を広げている。バーでは信じられないプロポーションの女性店 員が、ひっきりなしにやってくる外国人ビジネスマン達の間を軽い足取りで行き来している。そこで飲んだジントニックは、今までで一番、とびっきりに不味 かった。

シャネルと、BMW のバイクと、マクドナルドと、なんでも売ってる。ここが社会主義国の首都だなんて、とても思えない。オフィスのエレベーターで乗り合わせた現地法人の女の子の手には、スターバックスのカップが握られていた。何でも買える。ルールは無い。あえて言えば、対価を払えば何でも買えるし、対価を払う者には何でも売る。それがルールだ。

注:T3 のレンズバリアがおかしい。おかげで、半分以上の写真がパー。これはなんかたまたま構図的に効果っぽいので載せてみた。

Korea #1

Photo: 謎の食堂 2004. Seoul, Korea, Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.

Photo: "謎の食堂" 2004. Seoul, Korea, Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.

えーと、このペットボトルに入った水は大丈夫かな。きっと中身はミネラルウォーターっていうんじゃなくて、ペットボトルのリサイクルなんじゃないだろうか。だって、口が開いてないボトルは一本も無いもんな。水は飲まないようにしよう、、。

食い物が、キムチキムチキムチ。味が、辛い、すごく辛い、痛いの3種類。(もちろん、ステレオタイプ。馴染みのない文化は、みんな均質に見える)この国の食べ物って、体に合わない気がする。しかし、ホテルで食うのは負けた気がするから、今日も外で食べましょう。


今日は仕事は無いので、市街に足を伸ばす。南大門市場の外れ、海産物を売っている横町の路地裏。昼時に食堂を覗いていたら、おばちゃんに強引に中に 押し込まれる。まあいいかと、テーブルに座って、キムチチゲを頼んだ。しまった、またキムチか。天井は低く、二階を歩くお客の足音がする。1メートルも幅 のない路地を挟んで、反対側が厨房になっており、キムチを切ったり、なにやら煮込んだりしている。店は決して広くないが、市場の人間や、会社員、買い物に来たおばちゃんなんかが、次々とやってくる。

暫くして、石鍋に入って、親の敵のようにグツグツ煮えたぎったキムチが、、。白菜キムチと、豚肉と、なんかいろいろ入ってる。で、それをキムチをお かずに食べる感じ。痛んだ胃に唐辛子がしみるなぁ。でも、ご飯は赤米でヘルシーね。水は飲まないようにしたかったが、あまりに辛いので、飲んでしまう。

食ってる途中で腹痛くなってきたよ。(全部食べたけど)


注:水のパッケージはボルビックに見えるかもしれないが、ボルビックではない。そういうノリのものが、ここには多い気がする。定食は 5,000W (\500)、ちょっと高い。