北京、金持ち街から少し奥に入ると、再開発に取り残された一角に出た。下水のふたから何かが漏れ、野菜くずだのガラクタだのが路肩に積まれている。そのひときわ汚い裏路地の一番奥にある「小肥羊」。
中にはいると、街場の美味い食堂の喧噪。当たったな、と思う。
軽い気持ちで頼んだ炒飯に絶句した、というより、叫んだ。「うめーーーっ!」6元(72円)で山盛りが出てきた。具は、卵と葱が少し。全然豪華じゃないけど、ホント美味い。
炒飯はパラパラが美味しいとか、そんな今までの概念が覆る。まず全然パラパラじゃない。油だ、油でヌルヌル、でも全くしつこくない。日本には出汁を 注いだ茶漬けがあるように、中国には油で炒めた飯がある。そういう位置づけなんだろうか。油でサラサラ行くような、もう幾らでも食べられる。冷めても、不 思議とべたつかない。文字通り、「炒飯は飲み物」だった。
で、なにやらこれってチェーン店みたいなんだが(全国連鎖と書いてある)、それでこの味!?あるいは、王将でたまにあるここだけ美味い店みたいなものなのか?中国恐るべし。
注:中国のレストラン(と食堂)では執拗に炒飯を頼み続けたが、ここのが一番うまかった。そして、一番安かった。滞在中に再訪したところ、やはり美味かった。