東京と近郊の記事一覧(全 63件)

食糧ビルの入り口は美しい

Photo: 2000. Sagacho, Japan, Nikon F100, 35-105mm F3.5-4.5D, Agfa, Text 2001.4.15
Photo: 2000. Sagacho, Japan, Nikon F100, 35-105mm F3.5-4.5D, Agfa, Text 2001.4.15

食糧ビルの入り口は美しい。

アーチ型の梁が生み出す、柔らかい影と、歴史に裏打ちされた存在感。

この近代洋風建築は、もともと米穀の取引のために建てられた。1927年のことだ。高い天井、美しいアーチ、そして建物を特徴づける、広い中庭。かつては、この中庭に商品の米を並べて、取引をした。


このビルの三階に居を構えるオルタナティブ・スペース。「佐賀町エキジッビト・スペース」が、17年の歴史に幕を閉じようとしていた。20世紀があと 2日で終わろうとする 2000年12月30日、この場所は今日を限りに終幕を迎えようとしていた。

世紀の終わり、ふとしたきっかけで、その場所に行ってみたくなった。普通の生活。その中で 20世紀の最後は、なんの感慨も区切りもなく過ぎてしまいそうであり、それならばむしろ、なんの馴染みもないとはいえ、一つの「場」の終焉でも見に行った方がリアルなんじゃないか。

そんな気分だったのだ。


注:オルタナティブ・スペースって何?と言われるとちょっと分からないのだが、モダンアートとか展示しておくところで、かつ、美術館とかではない、ぐらいの意味だろうか。違ってたらゴメンなさい。

食糧ビル

Photo: 2000. Sagacho, Japan, Nikon F100, 35-105mm F3.5-4.5D, Agfa
Photo: 2000. Sagacho, Japan, Nikon F100, 35-105mm F3.5-4.5D, Agfa

冬、12月。

江東区、佐賀町。

食糧ビル。

水天宮前で地下鉄を降りる。箱崎の IBM を横目に見ながら、隅田川を目指して歩く。どんよりした曇空を映す川を渡り暫く歩くと、この古めかしい建物、食糧ビルが現れる。


その日、ファインダーを通して覗く世界は薄暗く、風は冷たかった。寒さと疲れで体は痛み、感情は後退し、理性だけがクリアに動いていた。そんな気分で撮った写真をこれから何枚か、紹介していきたいと思う。

シリーズ、江東区佐賀町、はじまりはじまり。

クリーンエネルギー

Photo: 2001. Kashima, Japan, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38, Fuji-film
Photo: 2001. Kashima, Japan, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38, Fuji-film

電力事業というのは、第一に安定供給。必要な量を、確実に供給すること。それが全てだ。在庫切れは、許されない。

さて、風力とか太陽光線とか、そういう「クリーンエネルギー」というのは、まだまだ安定供給のニーズを満たせない。エコロジーブームに乗って、注目 されてはいる。でも、実際に電力需要を賄えるわけではない。言ってみれば、電力会社の客寄せパンダみたいなものだ。しかし、最初は電気そのものがサーカス の見せ物であり、客寄せのためのアトラクションだったことを思い出した方がいいだろう。


目の前に巨大なプロペラ、ここはカリフォルニアではない。鹿島の海辺には、デンマーク製の風力発電機が2基建っている。目を開けるのが辛いほどの潮 風に、直径48mの羽根が、ゆっくりと回る。流体力学と軽量化素材の進歩が生んだ構造物。風力発電にかけては、北欧勢が強い。フィヨルド周辺の過酷な自然 環境は、言ってみれば豊富なエネルギー源であり、その利用にかけては一歩先んじている。

そもそも、風車は3000年の歴史を持ち、人類にとっての古馴染みだ。そのお馴染みのテクノロジーが、再び人類の生活を支える日が来るかもしれない。