はたらくおじさん。

Photo: 2002. Tokyo, Japan, Canon Power Shot G1 2.0-2.5/7-21(34-102), JPEG.

Photo: 2002. Tokyo, Japan, Canon Power Shot G1 2.0-2.5/7-21(34-102), JPEG.

はたらくおじさん。

きょうは、はらじゅくで、おおきなポスターをはっているおじさんたちをみにいきました。

あさの 2 じの、さむいなかでおしごとをしているので、えらいとおもいました。

おおきなクレーンしゃを 2 つで、とてもうまくはっていました。それから、ポスターがひかって、とてもきれいだったです。


あと、それをひまそうにみている、よっぱらいのおじさんたちがいました。しゃしんをとってあそんでいました。

ああいうおとなには、なりたくないとおもいました。


注:ポスターっていうか、垂れ幕かなぁ、、。

「外資系」ホテル

Photo: 2001, Yakushima, Japan, Nikon F100, Zoom Nikkor 35-105mm F3.5-4.5D, Fuji-Film

Photo: 2001, Yakushima, Japan, Nikon F100, Zoom Nikkor 35-105mm F3.5-4.5D, Fuji-Film

とりあえず、泊まる所を確保しなければ。で、そのリゾートホテルってやつはどうなんでしょう?民宿より快適じゃないのかなぁ?

「あのホテルはさぁ、島外の資本だからね、あんまりお勧めしないよ」

と観光センターのおっさんは言った。島に着いた日の午後のことだ。狭い島の中にあって、利益は連鎖している。早い話、客を回し合っている。その鎖の外に位置する「外資系」ホテル(国外という意味ではなくて、鹿児島の資本)は、あきらかに歓迎されていない。おっさんは続ける。

「民宿とかに泊まって、屋久島にどっぷり触れて欲しい、人と出会って欲しいんだよ、知り合いの民宿に電話してあげるから」


うんざりだ。

俺は休暇に来たのだ。ゆっくりできる、ケアの行き届いたホテルがいいのだ。旅行者と語り合ったり、ほのぼのと食器の片づけを手伝ったり、洗面所の流しを譲り合ったり、そんなことをしに来たのではない。俺はぜったい、その島に唯一のリゾートホテルに泊まる。観光センターのおっさんが否定すればする程、我々はそのホテルに泊まろうという意思を強固にした。

もちろん、観光センターはその「外資系ホテル」を紹介してくれなかったから、僕たちは飛び込みでホテルの駐車場に乗り付け、その場で部屋をとった。(思ったよりも、全然安かった)


結論から言えば、その外資系ホテル いわさきホテル は、良い宿だった。広く快適な部屋、教育の行き届いたスタッフ。正直言って、この僻地に、このようなホテルがあることは意外だった。オフシーズンの静かなホテルでは、一人旅とおぼしき女性が、夕暮れの海を一望できるロビーでゆっくり本を読んでいた。6階まで吹抜のホールには、大きな屋久杉の模型が、佇んでいる。目の前の海は、夕日を受け、まるで油を流したように輝いていた。

よくよく聞いてみれば、屋久島の自然をモチーフにしてなんとかいうアニメをつくった「あの監督」や、ここの自然にインスパイアされて曲をつくった 「あのミュージシャン」も、みんなこのホテルに泊まったという。自然を満喫するのに、わざわざ快適なベットや、水洗トイレを放棄することはない。そういうことだろうか。

そして食事。メインダイニングのレストランは予想以上に良かった。安くはないけれど、地の材料にきちんと細工をした料理には好感が持てた。山ほどバターを使った、屋久島産旭蟹のビスクスープは、記憶に残る心楽しい味だった。僕らは、夕食時にはちゃんと山から下りてきて、ここでご飯を食べるようにした。


「お客様、もしかして髭を召し上がられてますか?」

「は、はぁ」

夕食に注文した伊勢エビのグラタンは、殻を使ってなかなか綺麗に盛りつけられていて、ぴんとはった髭は、特に香ばしそうに見えた。だからポリポリ食べていたのだが、、。

「そ、それは、、食べられません、、」

それを食べたお客は、

「はじめて見ました、、」

確かに、枯れた珊瑚みたいな味がした。

僅かな日の光

Photo: 2001.

Photo: 2001. Tokyo, Japan, CONTAX RX, Carl Zeiss Planar T* 1.4/85(MM), Kodak EL-2

綺麗な紅葉ではなかった。葉には虫喰の跡が残り、枝には蔦がからんでいる。

西日の当たる、うちすてられたような場所に、木は立っていた。木は動けないから、じっとそこに生えている。もし、木が動くことが出来たなら、都会の木はみんな逃げ出す。そんな話を、聞いたことがある。


新宿御苑にたどり着いたのは、日がおちかかる夕暮れ時。この季節、紅葉を求めてここを訪れる人間は3種類居る。家族連れ、カップル、カメラマン。

残された僅かな日の光に、ありとあらゆる種類のカメラをもった人びとが、わんさか群がっている。Canon, Nikon, Minolta, CONTAX, Leica, Hasseleblad, Rolleiflex、夕日を浴びる紅葉に、無数のレンズが向けられていた。


でも、僕が見つけたこの赤茶けた木は、なんだかまるで人気がない。誰も見向きもしない。そりゃ、あんまり綺麗じゃないし、隅っこにあるし。でも、なんとなく頑張っているように見えたので、僕はこいつを撮ることにした。

葉っぱは煤けていたけれど、よく見れば新芽のようなものがあった。色だって、よく見ればすてたもんじゃないよね。