払暁の光

Photo: 手帳 2006. Japan, Zeiss Ikon, Carl Zeiss Biogon T* 2.8/28(ZM), Kodak 400TX

Photo: “手帳” 2006. Japan, Zeiss Ikon, Carl Zeiss Biogon T* 2.8/28(ZM), Kodak 400TX

払暁の光から、空は段々と朝の気配を帯びて、やがて日常の色を成していく。朝 4時に起きるのはつらかったが、こんな景色が見られるならそれも悪くない。

新千歳が大雪のため、引き返す可能性がある旨、機内放送がある。さっき、現地に先行している友人に電話したら、雪はそうでもないらしい。保険みたいなものか。

そうそう、同じ便には T シャツ姿のガイジンのグループが乗り合わせた。何故奴らは世界中のあらゆる場所で、T シャツなのか、おおいなる謎。この便は、北海道行きだよ?


とかいうようなことを、”ほぼ日手帳”に 書きながら、過ごす。旅行に手帳は便利だ。考えてみれば、手帳を持って旅行するのは、学生の時にロスアンジェルスに行って以来。会社に入ってからは、いつも、PDA とか PC を持っていた。電子機器の扱いにうるさくなった昨今、飛行機の中でも気にしないで書くことができるのが良い。それに、なんか、「書いてる」って感じがする。

ベンチャー用カフェ

Photo:July 2001, Sapporo, Hokkaido, Japan, Contax T2, Fuji PROVIA 400F.

Photo:July 2001, Sapporo, Hokkaido, Japan, Contax T2, Fuji PROVIA 400F.

小ぶりの JBL から流れるのは、ADIEMUS の Beyond The Century。

ノート PC のスクリーンを見つめていると、周囲のいろんな話し声が聞こえる。普通の喫茶店と少し違うのは、そこにキーボードを打つ音がまじるところ。


札幌駅のほど近くにある BizCafe。 ここは、北海道エリアのベンチャー支援の一環として、つくられた喫茶店であり、コミュニケーションスペースである。店内には LAN や電源、ホワイトボードやコピーと言った、仕事用のファシリティーが用意されている。ノート PC を前にして、議論をする人、あるいは寡黙にプログラムを書く人。利用者の大半は、まだ 20代そこそこで、若い。そして、半数以上が女性だ。

机はやたらに広く、資料やら、機材やらを広げても余裕がある。O’REILLY のブックラックがあったりするところは、割と通っぽい(あくまで、「っぽい」)その机の一つを占領し、僕もポツポツとメールを書いたり、 PowerPoint をいじったりして過ごしている。適度な雑音というか、周囲の活気が、いい刺激になる。

アイスカプチーノの氷がとけきっても、まだずるずるとキーボードに向かっている。悪くない居心地なのだ。


コンピュータ業界にいる人、あるいはそれに興味がある人も、札幌に行ったときには一度BizCafeに寄ってみるといいかも。コーヒーの出来は、残念ながらあまり良くないけどね。(安いからしょうがないか)


注1:Beyond The Century は、NHK の「世紀を越えて」のテーマ曲。
注2:なんかこの写真、前に見たことあるぞ、という印象があるかもしれませんが、微妙に違う写真です。

夏の北海道

Photo: July 2001, Sapporo, Hokkaido, Japan, Contax T2, Fuji PROVIA 400F.

Photo: July 2001, Sapporo, Hokkaido, Japan, Contax T2, Fuji PROVIA 400F.

夏の北海道を、初めて訪れる。

胸一杯にシロツメクサの匂いを吸い込んで、寝っ転がった。サラリとした風が吹き抜ける。

草むらは初夏。この季節の、北海道の気候というのは信じられないほど、気分がよい。空気が、輝いている。


「朝飯」を食べにやって来たのは、サッポロビール園。ここに来るのは、6年ぶり。以前と違うのは、食べ放題は頼まなかったこと。そして、肉は冷凍ではなく、ちょっと高い生のラム肉を注文したこと。僕はもう学生じゃないので。

独特の匂いのするラム肉を、ちょっと塩分濃いめにしたタレで食べると、幸せな気分。厚めに切られたラムのロースが、ジンギスカン鍋の上で、芳ばしく焼けていく。それにしても、ここってこんなに美味しかったっけ?


タクシーの運転手は、「とってもじゃないけど、東京でなんて生活できないですよ」と言っていた。ビール園の庭に寝っ転がって、空を見ていると、東京に帰るのがばからしくなった。

注:写真は、フィルター等はいっさい使ってません。風と、やまかんシャッター速度による結果。