思いつきの記事一覧(全 906件)

十七歳の地図

「オザキが来てるっ!」

病棟がにわかに騒がしくなった。入院しているプロデューサーのお見舞いに、オザキユタカがやってきた。その時、僕はまだ中学生だった。

198X.2.24

有名人らしかったから、サインをもらいに行った。病室に色紙などあるわけはなく、僕がさしだしたのは、コクヨの罫線付きレポート用紙。その薄っぺら い紙に、彼は快くサインしてくれた。「名前は?」彼は、僕の名前と日付を書き込んだ。入院している子供を励ますミュージシャン、というと聞こえはいいけれ ど、僕はオザキユタカが何者か知らなかった。そして、彼の音楽を聴く事もなかった。

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大学のサークルで、カラオケの時にオザキユカタを歌った友達がいた。テレビ画面に滲んだ「作詞・作曲 尾崎豊」の文字が、病院での記憶と結びついた。ああ、これがあの人の歌か。

それから何年も、僕は尾崎豊の曲を聴いてきた。傾倒、というのとは違う。僕は、彼のように生きたいとは思わなかったし、カッコイイとも思わなかっ た。しかし、自分が一番見捨てられていると思ったとき、自分で自分自身にさえ愛想が尽きかけたときに、心に届いたのは、彼の歌だった。他の誰でもなく、彼 の歌だけが、届いた。芸術には、もしかしたら人を助ける力があるのかもしれない。そんな風に思った。

2001.5.27

「17歳の地図」は、尾崎豊のファーストアルバムである。収録されているもののほとんどが、尾崎豊の代表曲になった。後年、本人をして、「デビュー作を超えられない」と悩ませたアルバム。

あれから、10数年。尾崎豊の歌は、今も流れ続ける。世間の評価はいろいろあるし、彼の歌に決して共感することのない人も、沢山いる。それでも、彼の歌は消えていないし、今日でもなお街角に流れ、そして誰かの心に届いている。

日曜の散歩

Terragen
Terragen

今日の持ち物:

  • サングラス
  • Rio800
  • 小説
  • Palm Vx
  • IDカード
  • カメラ(Contax T2)
  • 携帯電話2台
  • 財布
  • 名刺少々

通勤仕様。会社に行かないときは、IDカードと名刺は持たない。カメラは、なんか必要な気がする。最近買ったmp3プレーヤーRio800は、いつも電池が切れている。小説は、「ノルウェイの森」。また読んでるのかという話もあるけど、このあいだ久しぶりに読んだ「カンガルー日和」が面白かったから、、。


「今日はお仕事ですか?」

徹夜明けの腫れぼったい目で、黒板に書かれた土曜日のランチメニューを睨んでいる僕に、パスタ茹係り兼ウェイター氏が尋ねた。

テラスに青々とハーブが揺れる季節の変わり目、メニューも少し変わってきていた。目新しい、バイ貝とブロッコリーのパスタを喰う。なるほど、ちょっとヌメヌメしてないか?これ。

食後。コーヒー嫌いも、エスプレッソは飲める。300円の追加。
「ごゆっくり」

他に誰も客のいない店内。サーブするウェイター氏も、昨日は遅かったらしく、あくびをかみ殺し気味だ。それでも、カップの持ち手はちゃんと左で出していく。


「手相の勉強をしているんですけど」

駅前で、見習いの手相見に声をかけられる。しかも、2人に立て続けにそうされると、なんだか落ち込む。僕は思い迷っているように見える?


フリーの風景ソフトで、季節はずれの雪山を描いてみたり。フラクタルが生み出した、雲と、土と、雪。世界の何処にもない景色。遙か彼方に見えるのは、氷山かなぁ。

LA VACAという牛

Photo: contax T2
Photo: contax T2

表参道あたりを、プラプラ歩いていると、気になるモノが。

わけの分からないモノではあるが、言わんとすることは分かる。
「う、、ウシ?」

そいつらは、数頭の群れになって、ショーケースにうずくまっていた。

背中の微妙なカーブと、一頭毎にまるで違う個性的な模様。つのはピカピカ。いったい何の役に立つのかは分からないが、とにかく「欲しい」。でも、これは売り物?


実はこいつら、ドイツからやってきた家具である。「スツール」というのが、この牛たちのもう一つの存在意義。しかも、「天然の牛の毛皮にまたがることで、リラクゼーション効果が期待できる」という。

LA VACA。そんな名前のこの牛は、ちなみに59,000円。子牛のLA VAQUITAもあって、そちらは39,000円だって。

注1:なんかこの文章、雑誌の商品広告みたい。
注2:買ってませんよ。だって、スツールいらんだろ。