オサレ街での仕掛け仕事が終わって、一段落。4時過ぎに起き出して、働きっぱなしだったから腹が減ったよ。ホテルの上の方に上がって遅い昼食。
大きな石造りのテーブルが据えられたオープンキッチンのステーキハウス。店の中央にウォークスルーになったガラス張りの肉ケースがある。そうなると、がぜん肉の気分になって来る。アメリカ出張で散々肉を食ってきた友人の話が頭に残っていて、あっちの感じのステーキが食べたかった。霜降りの和牛もあったが、さっぱりしていそうなオーストラリア産の肉を選ぶ。
ホテルの中層階にあるこのレストランは、真ん中が吹き抜けのテラス席になっていて、なんとなくのんびりする。彼方の席では、子連れのセレブなアジア系奥様 2人が遅い午後のお茶を楽しんでいたり、身なりの良い老婦人が娘を伴って食事に来ていたり。なるほど、そういう生活のそういう日常がある場所か。
アルコールはとらずに、ペリエを飲み(最近なんか流行ってるの?)サラダを食べながら待つこと 15分、行儀の良い野菜で腹一杯になった頃に、肉が運ばれてきた。上品な白皿の上に、どどっと乗っている。薪の火で焼き上げられた肉は、焦げ気味に見える程きちんと火が当たり、厚みもある。木の香りと塩で十分に風味が付いていて、4種類ついてくるソースはいらないぐらい。付け合わせの蒸したアスパラガスが、そのへんで売っているものとは違う一段美味しいもので一同驚く。12オンスのオージービーフサーロインは脂が少く、切っては食べ、切っては食べしていると、割と易々と腹に入った。
テラスから入る外気と、ひんやりした空調の風が混ざって、意識が遠くへ。甘いもので目を覚ます。タルトを小さめのホールでとったら、ボウルに入った山盛りのホイップクリームと、自家製のマンゴー・アイスクリームが 1カップ付いてきた。ふーん、どうやって盛りつけてくれるんだろう、と皆で 5分ほど眺めていたら、「お客様にお取り分けしていただいています」だって。
なるほど、セレブでもアイスは自分で取り分けるのか。