友人が死んだ。
死んだ、という知らせを聞いて、あまり驚きはしなかった。詳しい話は聞いていない。
少し前に、わざわざ電話をかけてきて、「借りたカメラ、まだ返せそうにない」と言ってきたのは、電話する理由が必要だったのか、あるいは、なにかの 予感だったのか。ひどく律儀な電話だった。戦コンまでやった人だったけれど、繊細だった。むかつく人間には本気で怒った。六本木の怪しいカリビアンクラブ (踊る方)でボスらしき、スキンヘッドの熊みたいにでかいガイジンとハグで挨拶しているのを見たときは、この人はいったい何の人なのかと思った。
彼が通っていた飲み屋は、僕が通っている店でもあり、彼の大好きなばくらいでも頼もうかと思ったが、あいにくと盛夏にあっては、献立にない。せめ て、よく飲んでいた金魚でも。ロックグラスに焼酎を注ぎ、水草にみたてた大葉と、真っ赤な鷹の爪を入れると、泳ぎ出す。この金魚は、下手につついたりする と怒って辛くなる。
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